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★今日のプーの一言★
でもプーはいっしょにディナー食べてないでバウ!
プーもフレンチ、食べたいでバウ〜〜〜!!
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ママが温泉を楽しんでる間、遠吠えをしてママを呼ぶプー。
もちろん、タッチ交代で風呂にいったパパに対しても同じように
遠吠えで泣き叫んでパパを呼んだ。
「ああー、キモチよかった、でも落ちつかなかった〜」
ほかほかに茹で上がったパパちんは、
自動販売機でビールを買ってから部屋に戻ってきた。寛ぐ気、満々である。
「いま、下の食堂の前通ったら、夕飯の準備していたけど
プー、どうしよう?
一人いないだけでこんなに騒ぐんじゃ、食事にいってる間
とてもじゃないけどひとり部屋においとけないね」
「あ。ここダイニングもワンコ入室オッケーだって
本に書いてあったから連れて行っても大丈夫なんじゃない?」
「ホント?」
「ホントホント。」
お宿によっては、ペットは室内のみ、とか
ダイニングのみ入室不可とかいろいろ条件がある。
ワンコ連れで気兼ねせずに宿に泊まるには、
館内のどこにでもペットが自由に歩け、
100%ペット同伴客しか来ないような宿を選んだほうがよいと思う。
人間が泊まる方が主体のホテルだと、
他のお客さんに迷惑、とか気を使ってしまうが
全員がワンコ好きな客だったら、
多少の迷惑は大目にみてもらえちゃったりするのだ。
(もちろん、飼い主がしっかり面倒みてるって大前提はあるけど)
実際、ホントにお行儀の良いワンちゃんは稀で
みんなどっかしら困った癖をもっているものだ。
無駄吠えとか、他の子にけんか売ったりとか、
うちみたいに臆病だとか(笑)。
そんなわけで、夕飯はプーを連れて食堂へ向かった。
はじめはドッキドキだったが、他のお客さん4組も全員ワンコ連れでホッとした。
この時点でドキドキが続いたのはプーだけだったであろう。
夕飯は、オーナー懇親のフレンチのコースだった。
温泉イコール旅館の和食をイメージしていたパパちんは
フォークとナイフのディナーにちょっとこそばゆそうであったが
なかなか美味しいことに満足し、すぐにリラックスして食事を楽しんだ。
普段はビール党のママも、このときばかりは、と
気取ってワインなどを頼み、ユーガな食事を楽しむ。
が、
「ワンちゃん、大丈夫ですか?随分震えてますよ?」
料理を運んでいたオーナーが心配そうに話しかけてきた。
二人が至福の食事タイムを楽しんでいるとき、プーひとりだけが
まわりじゅうのワンコの気配にビビッてパパの足元で震えていたのだった。
そのガクプルぶりは、いろんなワンコをみているオーナーが
気になって声をかけるほど、見事なビビリっぷりであるらしい。
「はい、このコ、極度の臆病さんなんで〜…」
苦笑いで答えるプーママである。
ほかのワンコといえば、飼い主さんの足元でのんびりくつろいでいたり
足元にじゃれついていて飼い主さんの食事をねだっていたり、
他のワンコにちょっかいだそうとしていたり、
普段と違う雰囲気に興奮してガウガウ吠えて怒られていたり、
それぞれに元気いっぱい。
その気配に怯えて、意味もなくガクガクプルプル震えるプー。
さっきの遠吠えの元気はどこにいってしまったんだろう。
「ちょ、ちょっと恥ずかしいかもね、このビビリっぷり」
「そうだね。パパが膝に乗せておこうか…」
パパが膝に乗せた途端、震えが止まってくつろぎだすプー。
この安全地帯からゼッタイ離れないぞ、という決意が
丸めた背中からみなぎっている。
しょーもないワンコだなあ、と思いつつ、
ついアマアマな目でプーをみつめてしまうプーパパとママ。
我々のそんな姿をみて、オーナーの目が
(これはまた、随分甘えっ子ワンコにアマアマな飼い主たちだなあ〜)
と、笑っていたように感じたのは、けしてワインに酔ったせいだけではない、と思う。
さて、食事が終わって満腹の二人。
プーも部屋に戻ってごはんを食べてようやく落ち着き、
皆、昼間の疲れもあって早々にお眠モードになってきた。
でも!
「まだ内湯、入ってない!!
内湯に入ってからでなきゃ寝ちゃダメよ、みんな」
「えー、ママだけでいっておいでよ。パパはプーとここにいる…」
「ダメだよ!それじゃプーがまた騒いじゃうよ。
家族はみんな、いっしょにいなきゃダメなんでバウ!」
温泉好きなママのわがままにより、なかば強引に
内湯に連れて行かれるパパちんとプー。
またしても不穏な空気に、眠そうだった目を見開いてドキドキしている。
プー!お楽しみはこれからだ!
ドキドキのプー旅行初日のしめくくりは温泉でバウよ!
唐突ですが2000字超えそうなので、以下つづく\(__ )