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★今日のプーの一言★
いや〜ん、ママ
レディの寝起きを撮るなんて失礼でバウ★
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プーをカーペットから外に出そう大作戦は
お昼寝ベットのおかげで半分だけ成功した。
お昼寝ベットにもぐるためなら、
多少カーペットの外にあってもジャンプしてもぐりこむようになったからだ。
しかし、テリトリーがひとつ増えた、というだけで
まだまだ家のなかを自由に歩き回るには程遠い状況にあった。
今度は、ベットにもぐったら、ベットから出てこなくなったのである。
なかなか手ごわいへなちょこっぷりである。
女のほうも、段々悩むことにあきてきたらしい。
困ったことも毎日続けば日常で、プーがへなちょこなワンコでも
それはそれでいつでも目の届く範囲にいてラクだよなー、と
思うようになっていった。
キッチンやリビングの隣の和室で用事をしているとき
プーが寂しくてきゅんきゅん鳴いたら
お昼寝ベットに乗せて移動させるようになった。
和室で洗濯物をたたんでも
ベットから出られないプーは、
おとなしくじー、とみてるだけで邪魔が出来ない。
なんて扱いやすいコであろう。
女は、これがホントのお座敷犬だわーなどといって喜んでいた。
ついには女はプーが夜鳴きしたときは
ケージから出してお昼寝ベットに移動させ、寝室に連れてくるようになった。
「ママ…それは甘やかしすぎでは…?」
一応男は警告を促したが、
女はこの時点でプーをへなちょこワンコだと甞めきっていたので明るく答えた。
「大丈夫よう♪
どうせプーはカーペットとお昼寝ベットから出ないんだしさ。
うちらのベットの足元に置いておけばプーも寂しがって夜鳴きしないよ」
「それもそっかー。じゃ、プー、パパとママといっしょに寝るか♪」
基本的に男もプーに甘いので、女の意見に軽く同意した。
ペットショップからのアドバイスでどんなにかわいくても
犬と同じ布団で寝るのは躾けによくないからやらないように、と
言われていた二人は、これまでどんなに夜鳴きをしても
寝室にプーを入れることはなかった。
でも、同じ布団で寝なければ、
同じ部屋で寝ること自体は問題はないはずである。
そう、思っていた。
ところが。
翌朝、目が覚めるとプーが女の腕のなかでスヤスヤ眠っていた。
なんとプーは、足元のお昼寝ベットからジャンプして
二人の布団にいつのまにかもぐりこんできたのである。
「きゃあ、パパ大変起きて!プーがいるっ!!」
女にゆすぶられ、慌てて起きる男、
「どうしたどうした、わ、プーだ。プーが布団にいる!
ママ、プーを布団にあげたの?」
「ううん、朝起きたらここで寝ていたのー」
寝ぼけ眼の二人に見つめられて、プーは
えっへん、という態度でしっぽをふって二人を見返していた。
「じゃ、やっぱこのコ、自分でジャンプして上ったんだねー…」
「プー…おまえ、いいジャンプ力してたんだなー…」
呆然としながら、二人は顔を見合わせてため息。
「あ〜あ、きっとプーはもうベットの上で寝ること憶えちゃったよ。
ママのせいだ。ママが甘やかすから〜」
「えええ。。。そんなあ。ど、どうしよう〜〜」
どうしようもなかった。
男のいう通り、その日からプーは
夜ケージで寝ることを拒否するようになってしまった。
お昼寝ベットにちょこん、と入り、寝室まで運べ、と
女に催促の目で訴えるようになってしまったのである。
さすがの女も反省した。
このままではいかん、プーがダメワンコになってしまうではないか!
そう思い、遅ればせながらに子犬の飼育本を買い込んで
勉強を始めることにした。
確かに遅い。遅すぎるぞ、女。
そういうことは、
本来ワンコを飼おう、と思った時点ではじめるべきである。
そうしてページをめくるたびに女は悲鳴をあげる羽目になる。
“愛犬を飼い主と同じ布団に入れてはいけません”
今更遅いよ、もういっしょに寝ちゃったよ。
“まとわりついても無視。飼い主のペースに合わせる”
きゃあ、そうなの?プーのペースにハマっているよ、私。
“夜鳴きは無視しましょう”
ごめん、私が悪かった、無視できなかったよ。。。
こういうことはやめましょう、と書かれてることの
ほとんどをやってしまってる女。
プーをお利口ワンコに育てる道を自ら閉ざしていたのであった。
ダメ飼い主道、一直線…。