「いらっしゃい!何する。」
「大将、いつもの。」
ではない。
昨日、今日と、うだるような暑さなのである。
加齢臭を気にし、朝からシャワーを浴びるニャ王。
しかし、風呂場は抹茶の『涼場』なのである。
“ボクの場所が・・・”
今日のこの暑さを、既に感じとっていたのか、ニャ王が出てくるまで、抹茶も風呂場から出てこなかったのである。
「逆に、湯気で暑いやろうに・・・」
出てきてからというもの、『シンク』に座り、動かないのである。
「父ちゃんの真似して、風呂場にいるつもりだな〜。」
いつもは、調理スペースのヒンヤリ感がお好みなのだが、珍しくシンクの中なのである。
“母ちゃん、水〜。”
ちょろちょろ、水を出してみるが、流れていく水を、眺めるだけである。
「涼しそうね〜。って、出しっぱなしやし(汗)」
最近では、風鈴の音も、あまり聞かなくなったように思うのである。
「涼しげで、落ち着くんやけどな・・・」
マンションでは、やはり難しいのである。
「じゃあ!うち中に!」
案の定、抹茶の餌食となり、今や抹茶を呼び出すための物?!と化しているのである。
竹の葉が、風に揺れる音。川の流れる音。
そんな場所で、冷たい『宇治ミルク氷』や『わらびもち』が食べたい!
やはり私は、和の心を大切にしたい、ただの食いしん坊なのである。