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★今日のサスケ語録★
おいらサスケ。またの名をモサスケ。
多毛症な男なんでバウ。
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先生に話を聞いている間、サスケは別室で治療を受けていた。
サスケは、心臓の一部が動かなくなりきれいな酸素が巡らず
そのため肺に水が溜まって呼吸困難に陥ってしまったそうだ。
つまりは水に溺れている状態が続いてるらしい。
なんてことだ…。
さぞかし、苦しいんだろうな。可哀想に。
一通り症状の説明を聞いてからサスケに会いに別室へ向かう旦那と私。
お互い、無言だ。
信じられない気持ちと、自責の念が錯綜していた。
多分旦那も同じようなこと考えてるんだろうな、と思った。
サスケってば…。
朝はいつもどおり元気に吠えて私を6時にたたき起こしたのに。
食欲もあったのに。
それが突然なんで命の危機になっちゃうのかな。。
でも、たしかに、最近少し元気がなかったね。
散歩でもあまり距離を歩きたがらなかったね。
暑いからなのかな、と
熱中症には気をつけていたのだけど
まさか、心臓が悪くなっていたなんて。
ああ、ごめんねサスケ。
もっと早く病院に連れていってあげるべきだったね。
少しでも気を緩めたら、おんおん泣いてしまいそうだった。
でも、これからサスケと会うのに泣いてちゃダメだ、とこらえた。
私が泣いたら、きっとサスケは心配してくれるだろうから。
サスケは入院用のゲージのなかでぐったりと伏せていた。
両方の鼻にチューブを取り付けられ、見るからに痛々しい。
「サスケ、サッちゃん…」
そっと呼びかけると、
サスケはよろよろしながらも起き上がり、
うれしそうに私のほうへすり寄ってきた。
きっと、治療室でレントゲン撮られたり
血を採るために注射されたりして
その間、パパも私も姿が見えなくてとっても不安でいたに違いない。
私たちの姿を見た途端、弱々しくも尻尾を振りさえした。
(なんだかヘンテコなもの、
いっぱいつけられてオイラびっくりしたよー。
ねえ、お家、帰ろうよー。)
サスケの瞳が私にそう語ってきた…ような気がした
苦しそうに息をしながら、必死に甘えてくるサスケ。
でも鼻のチューブが邪魔して、
抱きしめてあげることさえ私はできなかった。
興奮しないよう、そっと、そっとなでながら
「大丈夫だよー。
サッちゃんいい子だねー。
ここでおとなしくネンネしてようねー」
と、慰めるだけしかできなかった。
サスケのまえで泣きたくないのに
どうしても涙がにじんで視界が曇る。
なんて、私ってば無力なんだろう。。。
ごめんね。ホントにごめんねサスケ。
当然ながら、
その日は動かせる状態ではなく入院することになった。
病室を出ようとすると、
置いていかれることが信じられない、というように
サスケはじっと私たちを見つめていた。
明日また来るからね。
明日、具合が良くなったら帰れるからね。
はやく良くなってお家帰ろうね。
サスケだってイヤだろうけど
パパとママだってサスケが居ないとイヤだよー。
帰り際、先生が
容態に変化があればお電話します、と私たちに言った。
電話、来ませんように、と即座に思う私だった。