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★今日のプーの一言★
知らない場所歩くのは
いまでもドキドキなんでバウ(*_*;
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家に来て2週間も経つのに
未だゲージと、
ゲージ前の畳一畳分のホットカーペットより外に出ないプー。
度がすぎる臆病っぷりに、女は悩み始めた。
出たくないわけではないらしく、
カーペットの端っこにじっとたたずんで
前足を一歩だしては引っ込める、
という動作をずっと繰り返している。
外に出ようか出まいか、
躊躇しているのが良くわかるのだ。
「別にカーペットの外もプーのお家のなかだから
怖いこと、ないんだよ?」
そう教えたところで、プーに意味が通じることはなかった。
カーペットからわずか30センチほど離れたところから
女がオイデオイデをしても頑として動こうとしないプー。
あきらめて女が立ち上がると
「いっちゃヤでバウ!!」
というようにきゅんきゅん鳴く。
くぅーこの甘ったれぃ!
結局女が根負けしてカーペットの上で跪いて
オイデオイデをすることになり、
プーは勝利の微笑みを浮かべて女の膝に乗るのだった。
さすが魔性の女プー。甘え上手なんである。
「いや、ママそれ甘やかしすぎだから」
カーペットの上でイチャイチャする
女とプーを見て、男があきれ顔で評した。
「じゃあ、パパはプーに勝てるの?
パパがプーを飼いたいっていったくせに!
プーが一生、カーペットの上で過ごしてもいいの!?」
女、逆ギレして男を責めるが
男は女のヒステリーはさらりとかわして
会話するコツを心得ていた。
女の屁理屈に道理を説くのは無駄だと悟ってるらしい。
「いや、パパもちょっと寂しいと思うよ。
帰ってきた時、おかえりー、って玄関までお迎えしてもらうの、
夢なんだよねー。でもカーペットから出ないんじゃなあ。。。」
「でしょー。ケージ越しからバウバウ鳴いてるから
愛情は感じるんだけどさー、態度でも感じたいよねー」
「だよねー…うーん。。」
男はプーの顔をしばらくじっと眺め、なにやら考え込んだ。
そしてふいに立ち上がり
「よし、プー!特訓だ!!」
そういってプーを抱き上げると
玄関まで連れて行き、玄関マットの上にプーを置いて戻ってきた。
「きゃーパパ犬さらいっ!なんてことするの!?」
「家の中なんだし、大丈夫だよ。
プー、こっちひとりで戻っておいで!!」
プーはひとり玄関に置き去りにされて
びっくりして固まっていた。
それを、わずか3メートルくらい離れた場所で見守る男と女。
「プー!こっちおいで!」
「プー、ハウスはこっち!オイデオイデ!!」
頑張れプー!
歩くんだプー!!
気分はまるでクララが歩き出すのを見守る
アルプスの少女ハイジとペーターである。
いやこのスパルタぶりはロッテンマイヤ夫人か?
どっちでもプーが歩いてくれれば文句はないぜ!
そしてその闘いは30分続き
一歩も動こうとしないプーの気合はいった腰抜けっぷりに
女がくじけて迎えにいく、という形で
終焉を迎えたのであった。
どうすればいいんだ、これは?
このままじゃプーは一生散歩もできない女になってしまう。
おじいさんでもアルムのもみの木でも
ダレでもいいから教えてくれ!
女の悩みは続く。