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★今日のサスケ語録★
寝るコは育つというでバウ。
はやくプーねえちゃんよりおっきくなるでバウ…ZZZ
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「決めました!このコを飼います」
2匹目のパピヨンを飼おう、と夢を膨らませた二人は
ペットショップで散々悩んだ末、おとなしそうなコを選んで言った。
パパちんのほうは、例によって例のごとく
すぐにでも連れ帰る気満々であったが
「実はですね、このコまだ小さすぎてお渡しできないんですよ。
ワクチンもまだなんで、2週間ほど待っていただけますか?」
とペットショップから待ったをかけられてしまった。
「お渡しできる頃にお電話差し上げます。
ワクチンうつまでに、トイレのしつけもうちでやっておきますので」
さすがお兄さんは、客の心をつかむのが上手い。
トイレしつけをしてくれるなら、と我々もおとなしく引き下がった。
決めちゃったよー♪
2週間後には、我が家にもう一匹、ワンコが来るぞーー!
ひゃっほ〜い♪
久々に浮かれポンチ炸裂の二人。
「ねーねー、名前どうしよっか〜?」
「もう決めた。サスケがいいな♪」
「へ?サスケ?なんでまたそんな名前なの?」
「うん?なんとなく男はサスケだよ。ダメ?」
「ダメっていうわけでは〜〜…ま、いっか。なんかサスケって感じだし」
なにが“サスケって感じ”なのかいまいちよくわからなかったが
さすがに私も、男の子にこじゃれた名前をつける気にはなれず
パパちんの提案に賛成し、名前もあっさり決まってしまった。
なんもかんも、プーのときとはえらい違いである。
子犬を待つ2週間、パパちんはいそいそミツグくんと化して
子犬を迎える準備にいそしんだ。
私は、といえば、会う人会う人に
「うち、もう一匹増えるんですー!次の日曜日にお迎えにいくんですー!」
と、携帯で撮った写真をみせて話しまくってた。
もーいくつ寝るとー♪にっちようび〜♪
はーやく来い来い♪パピ・さーすけ〜〜♪
お迎えの準備は完璧だった。ところが、である。
「あのう、申し訳ありません。
ご予約いただいている子犬の件でお話が…」
お迎え間近なある日、ペットショップから一本の電話がかかってきた。
ものすごく、恐縮している口調にいやな予感がして、
思わず受話器を握り締めて聞いた。
「なにかあのコにあったんですか?」
まだ、数回しか会ったことないのに、
既にサスケを愛し始めてたことに気が付く私。
受話器を握り締める手にじんわり汗をかいてくる。
「いえ、元気だと思います。元気なんですが、ちょっと困ったことになりまして」
「は?」
「実は、うち支店が静岡にあるんですが、店長が間違えてご予約いただいてた
ワンちゃんのほうを静岡に連れて行ってしまいまして、いま東名高速にいるんです」
「はい〜???」
そりゃまた、なんてこったい。
最悪の事態を一瞬にしていろいろ考えてしまったが、
まさか静岡に拉致されてしまってたとは予測がつかなかった。
なんと答えてよいかわからない私に
ペットショップのお兄さんは申し訳なさそうに説明をした。
「長距離移動は子犬には負担が大きいので、
すぐに神奈川に送り返してもらうわけにもいかなくて、
何日か静岡店で落ち着かせてからこちらに戻す手配をしようと思ってます。
それで、こちらで予約していたワクチンも肝心のワンちゃんが静岡なので
できなくなってしまったので、ついでに向こうでやってしまおうと思います。
で、ワクチン打つと、また3日は安静にさせてあげなくてはならないので…。
そういうわけで、お約束の2週間を過ぎてしまいます!申し訳ありません!」
はあ。そうですかー…。
ええ、まあ…特に損害を受けたってわけじゃないし
ほんのちょっと、待つのが伸びただけだし、
人間、たまにはこんなミスもするだろうし、
目くじらたてて怒るようなトラブルでもないからいいんだけどねー。
別にいいよ、いいんだけどさー。。
その夜、仕事から帰ってきたパパちんに、
ペットショップからきた電話の内容を話すと
パパちんもなんともいえない表情になって言った。
「ええと、でも日にちは2週間より伸びるけど、
パパたちが選んだほうがうちに来ることに代わりはないんだよね?」
「うん。それは大丈夫みたい…」
「で、サスケは当分静岡にいる、と。静岡でワクチンも済ませてくる、と。」
「そういうことみたい」
「なんか、それはサスケのせいじゃないけど、サスケって間抜けって気がする…」
「…やっぱり、パパもそう思う?」
いっしょに暮らし始める前からすでに「マヌケ」呼ばわりされてしまったサスケ。
人の心を和ませる彼のお笑い伝説はここから始まっていたのである。。
つづく♪