私が実家に帰省している時の婆バは、安心して出掛けたものでした。
しかし婆バが出掛けている最中、小次郎君は決して寝ないのです。
横にはなっても寝ることはありませんでした…ひたすら、婆バの帰宅を待っていました。
まるで、透析から帰る爺ジを待っている時と同じように、婆バの帰宅を待っているのでした。
部屋の大きな窓から見える実家の駐車場を一点に見つめて待っているのです。
そして車の音が聞こえる度に、外へ走って見に行ってました。
婆バが帰ってくると、もう、一心不乱に喜びを表現するのです。
爺ジが帰って来るときと全く同じです。
お尻をいっぱい振って、これ以上の表現はないというくらいに、嬉しい喜びの気持ちを表現するのです。
これ以上は表現できないっていうくらいに…。
ぴょんぴょん跳ねながら、自分の宝物である、『おもちゃのきゅきゅきゅ』をくわえ婆バに持って行くのです。
『お帰り、もう僕をおいてどこへも行かないで、ずっと待ってたんだよ』と、まるで言ってるかのように。
それが婆バは可愛く愛おしく、一緒にお手々をにぎにぎしながら…おいちに・おいちに・と言いながら…歩くものでした。