交番に届けたよ
続き
グレーチングを跨いだら、後は いつものコースだ。
テクテク ポテポテ トコトコ
テクテク ポ……………
ママ「今度はどうしたの?」
僕「前を見て〜」
ママ「ゴールデンちゃんじゃない」
「大丈夫よ」
ママ「おはようございます」
ゴールデンちゃんママ「おはようございます」
ママ同士、朝のご挨拶。
ゴールデンちゃんは、躾されてるのかな。
堂々と歩いてたよ。
僕、恐くないかも…
テクテク ポテポテ トコトコ
僕、上手にすれ違えたよ
テクテク ポテポテ トコトコ
ママ「あっ!」
僕「どうしたの?」
ママ「こんな所に片方の手袋があるよ」
僕「本当だ〜」
遊歩道の植木上に、片手の手袋が乗っかってた。
黒色、布製、手首にファー付きの手袋。
交番に届けよう。
ママと一緒に、駅前の交番までテクテク ポテポテ トコトコ
バギーを停めて
ママと僕「おはようございま〜す!」
ドアを開けて入って行ったの。
奥の方から、女性の交番相談員さんが出て来た。
ママ「手袋の落とし物です」
交番相談員さん「ありがとうございます」
「書類を作りますけど、時間は大丈夫ですか?」
ママ「はい、大丈夫です」
交番相談員さん「そこに座って下さい」
ママ「はい」
交番相談員さん「ワンちゃんにおやつをあげても良い?」
ママ「はい、ありがとうございます」
ワァイ!
おやつだ、おやつだ〜!
奥の部屋から、おやつを交番相談員さんが持って来てくれたよ。
骨型のカルシウム入りおやつだって〜。
早くちょうだい!
交番相談員さん「私もあげて良いかしら?」
「名前は何ですか?」
ママ「クッキーです」
交番相談員さん「クッキーちゃん、どうぞ」
僕「WONWON」
パクリッ ムシャムシャ
美味しい〜、もっとちょうだい!
交番相談員さん「あとは、お母さんからあげてね」
「パソコンで書類を作りますね」
ママ「はい」
交番相談員さんが、奥の部屋から ママに名前と住所と電話番号を質問。
ママは、大きな声で返事しながら 僕におやつ。
僕「もっとちょうだい!」
ママ「はい、どうぞ」
パクリッ ムシャムシャ
交番相談員さん「これで良いか確認して下さい」
奥の部屋から、書類を持って交番相談員さんが戻って来た。
ママは書類を確認。
そこへ、今度は 警察官がコーヒーを持って来てくれたよ。
交番相談員さんとママの分だって〜。
ママ「ありがとうございます」
交番相談員さん「豆から挽いてるから美味しいわ〜」
ママ「いただきます」
ゴクン ゴクン
ママ「本当に美味しいです」
警察官さん、嬉しそうな笑顔。
落とし物を届けただけなのに、ママは温かいコーヒーを頂いて 心ポカポカ〜。
僕も、おやつを頂いて
得した気分。
交番相談員さん「いつも、ダックスちゃんと白髪のおじ様が寄って下さるから、ワンちゃん用のおやつを用意してるの」
「あなたも また 遊びにいらっしゃいね」
僕とママ「ありがとうございます」
喋ってたら、警察官さんは仕事上がりらしい。
警察官さん「もう引き継ぐ事はないかな?」
「では、帰りますね」
交番相談員さん「はい、お疲れ様でした」
ママ「お疲れ様でした」
あれ?
ママまで警察官さんに
「お疲れ様」なんて言っちゃってるよ。
僕も警察官さんにバイバイしなきゃ!
僕「WONWONWON!」
警察官さんが帰った後、ママと交番相談員さんはピーチクパーチク。
わんこ話しに花が咲いてた。
いつ 帰るのかな〜
テーブルの下から、
(;¬_¬)ジー
ピーチクパーチク ピーチクパーチク
そこへ、道を尋ねに来た一人のおじ様が入ってきた。
お仕事の邪魔したら悪いね。
そろそろ 僕達は帰ろう。
ママ「コーヒーとおやつ、ごちそうさまでした」
「失礼します」
交番相談員さん「は〜い、またね〜」
僕とママは、交番を出て坂道の手前に向かった。
エッサホイサ エッサホイサ
手袋の落とし主さん、現れますように。
バギーに乗り換えて、エッサホイサ エッサホイサ
今日も富士山 綺麗だね〜
エッサホイサ エッサホイサ
お家に着いたのが、10時半過ぎだった。
続き
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