この頃の写真はありません。
四回の抗がん剤治療が済み、これからは飲み薬で再発させない様にコントロールしていくはずでした。
食欲も出て、猫じゃらしで遊んだり。もう大丈夫。ヤマト本当に頑張ったね。
家族みんなで喜びました。
でもそんな幸せな日々は続きませんでした。
最後の抗がん剤治療が終わって約二週間後位に急変。食欲が落ち、食べた物をすぐ吐いてしまうんです。
元気も無くなりました。
直ぐ病院へいきましたが、結果は恐れていた"再発"。熱も42度ありました。
再発したら、もう抗がん剤の期待は出来ないと聞いていた…。でももう一回だけ、抗がん剤治療を頼む事にしました。
奇跡が起きて欲しい。そう願って。
抗がん剤をするには、熱を下げなければだめだそうです。
その日は熱を下げる注射と輸液の処置。輸液は何も食べれないヤマトの体力を戻す為の点滴で一気に皮膚の下に入れ背中に水のこぶの様な物ができます。これが時間をかけて体内に吸収されるそうです。水分や栄養なんだと思います。
でも少し元気になったかと思うと、また熱を出し輸液処置。
何回繰替えしたか。
症状は悪くなり、全く食べなくなりました。水を飲もうとしただけで発作の様に咳をし吐きました。食べていない為出るのは、黄色の液体。
熱が下がらない為に抗がん剤が出来ないんです。
ヤマトは日に日に衰弱していきました。
そんな私を見兼ねて家族が言いました。
『もう、そっとしておいてあげろ。いいだろうもう。』
治る病気なら、私も反発したと思います。でも、その時もうヤマトは身体を横たえ、ただ苦しんでいました。限界でした。私もヤマトも。
このまま、そっとしておけば確実にヤマトは死んでしまう。
でも毎日輸液に連れて行きその場をしのいで、生かしている事がいいのか。本当悩みました。
次の日に猫のボランティアの方がヤマトを見に来ました。その方は何百匹と猫の死を経験しています。
ヤマトを見てもう長くないといいました。
大好きな、お家でそっとしてあげた方がいい。と。
私は決めました。もう病院に行くのはやめよう…と。
病院に『もう、そっとしておく事にしました。ありがとうございました。』言葉になっていなかったと思いますが、病院の方も『そうですか…。わかりました。』と言ってくださいました。
ヤマト。もう、怖い病院は行かないからね。
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反論覚悟です。
私が決めてやった事です。