姉ちゃんが作ってくれたオィラの
クッション。(のようなもの)
ハートのクッションだ。
クッションにしては小さい。
姉ちゃんが
「記念写真撮ろう」とオィラを抱いた。
寝てたのを起こされて
持ち上げられて クッションらしきものを
近づけられた。
母ちゃんが携帯出してきて
「きちゅけ〜きちゅけ〜」と
オィラをカメラ目線にさせようと
必死だ。
必死すぎて だんだん
「きーーちゅーーーけええええ!」
と 赤ちゃん言葉なのか
呪いの魔術師なのか
理解不能な声を出しはじめた。
ただでさえ、オバサン体型にアニメ声…
ブル公のような顔立ちが
魔術師そのものなのに
オィラをちゃんと撮るために
ついには
「にゃーーーご!にゃーーーご!」
と 盛りのついたメス猫の真似を
始めたのだ。
姉ちゃんは「お母さん怖い〜」って
笑うけど オィラの寿命は縮まったぜ。
そんなメス猫 この世にいたら
オィラ 猫やめたい…
しかもまったく色気がない。
むしろ 怖い…
母ちゃんのあまりの狂いザマに
オィラが固まってしまった瞬間
携帯カメラが
カシャカシャカシャカシャ!
連写だよ…
まったく…
母ちゃんは満足感たっぷりで
「あんたも男だねぇ」とニンマリ。
あぁ…
人間の言葉を巧みに話せたなら
母ちゃんにキッパリ
「キモい」と言い放ってやりたいぜ。
母ちゃんは すっかり
オィラの男の脳波が刺激されて
カメラ目線になったと思い込んでいる。
違うんだ…
違うんだ…
ちがうんだああああああ!
でも 姉ちゃん
クッション
あざーす。