母ちゃんが俺様の超クリーミーな
マロンカラーの体毛を
猿の毛繕いみたいに
細々とかき分けながらモサモサしていた。
母ちゃん流マッサージ?
ちょー気持ちいいんすけどぉー。
でも何で?
ノミチェック?
外に一歩も出ないオィラは
ノミ、いないんだよね。
ビバ!引きこもり。
母ちゃん呟く。
「う〜ん、キスケの地肌は毛の色なんかなぁ。剃ってもこの色かなぁ」
ち、違いますから!
ってか 剃る気か?
「前にネットで見たんだけど、顔の毛だけ残して、あとは全部剃ってる猫がいてね、もはや猫じゃなかった!猫、越えてた!」
はぁぁぁぁ?
越えてたって…
どういうランク付けの基準だよ!
母ちゃんのモサモサマッサージは続く。
(相変わらず猿の毛繕い風)
「キスケすごい!黄色い毛の下の皮膚は白いよ!」
…だから?
それってすごいの?
「ってかさ、黄色い毛の根元は白いよ!」
…だから?
「夏になったら坊主にしようね!」
…やっぱりそうきたか。
こんなときは姉ちゃんがちゃんと
暴走母ちゃんを阻止してくれる。
「お母さん?坊主にしたら逆に暑いんだよ」
姉ちゃん…ありがとう。
まともな人間が一人でもいてくれて
オィラは助かるよ。
母ちゃんの疑問はオィラの地肌の
ことだったのか?
忙しいと言うわりに
暇な疑問が沸いてくる母ちゃんを
オィラはまだまだ研究しなければ。
写真はオィラがピアノ椅子で
だらだらに眠っているところ。