写真のやつがオィラの後輩 ぷぅ子だ。
こいつはオィラと同じく
ペットショップの「もらってください」の
ゲージにいたんだ。
それを美人で優しくて
スタイル抜群の母ちゃんが
もらってきたらしいんだ。
(ここまで誉めたんだから何かくれよ、母ちゃん!嘘は得意だぜ!)
母ちゃんはぷぅ子を見るなり
「いやぁん、不細工ぅ!カワイイ!」
…どっちなんだよ。
人間ってやつぁ わかんねぇ。
きっと母ちゃんも不細工だから
仲間意識を感じたんだろ(ボソッ)
初めはこいつに 威嚇してやったぜ。
あぁ 赤ん坊だった頃のこいつにな。
でも こいつは怯まなかった。
オィラの乳を探して近づくんだ。
オィラは…
男だ。
ニャン玉取られたけど
男なんだぁぁぁ
おあいにくさまだが、乳は出ねぇ。
母ちゃんは言う。
「キスケ、そのうち乳出たりして」
出ねぇよ…
母ちゃんが出せよ。
ぷぅ子はブサカワパワーを振り撒いて
一気にアイドルへの階段を
のぼりはじめた。
オィラはアイドルから
メタボリックへ
一気に渡辺徹の階段を登った。
オィラは星空に呟いたのさ。
「ニャン玉を取られた俺様はまるで…クリープのないコーヒーみたいだぜ…」と。
母ちゃんは 甘え上手なぷぅ子を
ベッドに連れていき スヤスヤ眠る。
(スヤスヤじゃない。ンゴォ〜ンゴォ〜だ…。嘘は得意だぜ)
オィラもぷぅ子を見習って
母ちゃんと毛布の間に滑り込んだ。
しばらくして母ちゃんは
オィラのメタボリックに圧迫され
悪夢にうなされたらしい…
「キスケの8キロが乗っかってたぁ〜!すげぇ悪い夢みたぁ〜!コーラのプールで泳がされてガブガブ飲んだぁ〜!」
悪夢と言うほどではない(ボソッ)
オィラは人間の言葉を話すのだ。
「マンマ」「母ちゃん」「姉ちゃん」
「父ちゃん」「ネンネ」は完璧だ。
(どうせニャンニャとか鳴くんだろ?のツッコミは却下)
ぷぅ子は「ぷぅ」しか鳴かないのに
「不細工」ってイメージだけで
笑いが取れて 可愛がられる。
オィラのハンサムは役に立たないのか…
母ちゃんに「かまって欲しいの目線」を
投げ掛けてみた。
母ちゃんはそんなオィラの心情を
察知してくれて オィラを抱き上げ
ほっぺスリスリの
ブチュブチュしまくりで
撫でまわされてしまった…
ブチュブチュはちょっと度が過ぎた…
やっぱりオィラは
クールガイのままで生きることにした。
もういい
あのブチュブチュに襲われるくらいなら。