これはまだ、以前の家に住んでいた頃の事である。
特に、料理上手というわけでも、レシピが豊富というわけでもないのだが、
食べられるご飯を作れる!というだけの私。
実家が自営業ということもあり、母の料理は、
ドカッ!と大鍋にドン!であった。
片やニャ王は、大家族で大鍋ではあったが、
しっかり『味噌汁』のある食事をしていたのである。
ニ:「ご飯には汁が要るやろ〜。」
よ:「無くても平気ですけど・・・」
ニ:「しょうがない。旨いから今日のところは勘弁しておこう。」
そんな日々であった。
ある日、体力勝負!の仕事をしていたニャ王に、
プリンを作ってみよう♪と試みたのである。
ニ:「ただいま〜。お〜♪プリンやん!」
よ:「作ってみた!」
二人同時に、プリンを口に運んだ。
ニ:「・・・・」
よ:「・・・・」
ニ:「ニャンコチャン・・何か見た?」
よ:「感覚?!昔、お母ちゃんが、よく茶碗蒸し作ってくれてて、そういえば、ダシを牛乳に変えたら同じ事やろ〜♪なんて・・へへ・・・」
ニ:「そうね〜。この茶色いとこは、それらしいけど・・・旨くも不味くもなく・・・何とも例えようが・・・甘い茶碗蒸し?!」
よ:「確かに・・・旨くも不味くもないね〜。」
ニ:「ちゃーちゃん。母ちゃんのプリン蒸し、すごいんやぞ〜。」
他の料理は覚えていないのだが、いまだに『プリン』の事だけは、しっかり覚えているのである。
何だったのであろう。
あの何とも言えない仕上がりは。
あまりの衝(笑)撃だけが、今も鮮明に焼き付いているのである。