我が家には性格が真反対の猫が2匹いる。
我が家の猫第二号、ししこ。
アビシニアン。
通称:しし、茶坊主
彼女の性格はジュリアとは正反対である。
彼女はまず、ほとんど人見知りをしない。
もちろん最初は警戒するが、ちょっとでも遊んでくれると、すぐになつく。
また、宅配便などが玄関に来ると、わざわざ尻尾をブワッとさせながら、見に行く。
いやいや、行かなくていいから・・・
彼女は甘えたいときに遠慮なく容赦なく甘えてくる。こういうところを見ると、妹タイプだなと思う。
人がPCをしていようが、寝ていようが、ご飯を食べていようがお構いなしだ。
そして、常にみんみんのそばにいる。寝室に行けば寝室についてくるし、PCに向かっていれば、すぐそばで寝る。トイレに行ってもついてくる。ちなみに、トイレについてきた場合、自分も猫トイレ(人間のトイレのドアのすぐそばにある)に入ることがある。
彼女の運動神経は、活発ではあるが、ややバランス感覚に欠けている。
高いところで足を踏み外したり、寝返りをうって落ちてきたり。まともに降りてくるときでも、物が道連れとなって落ちてくる。
また、棚の上に物があるときは、ちょいちょいして落とさずにいられないし、歩くときも物を蹴散らして歩く。
ししこの前に道はなくとも、ししこの後に道ができている。
彼女は今のところ大きな病気はしていないが、家に来てすぐに猫風邪を発症した。
それ以外で病院に行ったのは、避妊手術のときぐらいだ。
彼女は避妊手術の際に、絶食による空腹の怒りで、みんみんの足や手をカミカミしまくっていた。早く病院に連れて行かねば、手足が食われると思ったものだ。
そして、手術が終わり、引き取りに行った際に、「いやぁ、アビシニアンはやっぱり気が強いねぇ。すご〜く怒っていたよ〜」と言われた。
さらに、抜糸の際についでに爪切りもお願いしていたが、抜糸のときも大暴れでわめく叫ぶ。通常、アシスタントさん一人と補助的に飼い主が押さえて、獣医さんが抜糸するところを、ししこ大暴れのため、アシスタント二人がかりで押さえ込んで抜糸。飼い主はなすすべなし。ひたすら謝るのみ。
爪切りなんてもういいかなぁなんて思っていたら、その押さえ込みの体制から爪切りに移行。
ししこは抜糸のときから『うぎゃーーーー!!ふぎゃーーーー!!』と叫びまくり。
外で待っている他の患者さんはきっと、中で何が行われているのだろう!?と思っていたに違いない。
決して虐待ではない。お医者さんの腕が悪いわけでもない。ただの抜糸と爪切りだ。
このとき、アシスタントさんに「さすがアビシニアン、気が強いなぁ!」と言われた。
診察室から出てきたみんみんは恥ずかしかった。早く帰りたかった。
しかし、最後の受付で、「いつもお家で爪きりをするときは、こんなに大騒ぎなんですか?」とにこやかに言われた。みんみん消え入りそうな声で「えぇ、まぁ・・・ここまでではないですけど・・・似たような感じです・・・」と答えて病院を後にした。
そしてししこは、食欲旺盛である。
朝は朝ごはんをくれと起こしてくる。ジュリコの分も食べる。缶詰のときはジュリに先に食べさせないと、ししこが独り占めをする。
おかげで運動をしている割には腹が出ているような気がする。
基本的に人懐っこいししこだが、相方だけは嫌いである。
たぶんしつこい愛情表現がいやなのであろう。
相方が抱っこすると、「う〜・・・う〜・・・」とうなり、「シャー!シャー!」と威嚇する。
ひどいときは近づくだけで威嚇され、相方は落ち込む。
相方はししこに会って、威嚇されずにすんだ試しはない。
みんみんはししこにまだ会っていないとき、みんみんの持つ猫像はジュリがモデルだった。
そして、ししこが家に来たとき、アビシニアンとは頭の良い猫と聞いていたから、さぞかし頭の良い子なんだろうと思っていた。
確かにトイレもすぐに覚え、ティッシュを丸めたボールを銜えてフローリングに落とし、転がるのを追いかけて遊ぶ様を見て、確かにこの子は賢い!と思ったものだった。
しかしそれ以降、賢いと思うことはなくなってしまった・・・
ジュリとは正反対の性格を持つししこのおかげで、みんみんの持つ猫像は崩れ去ってしまったのである。