ある朝のこと。
あまり聞いたことのない珍しい鳴き声の鳥が、わが家の車近くの電信柱上に居たのである。
よ:「あの鳥なんだ??」
朝の慌ただしい時間に、私に構っている余裕のないニャ王。
とりあえず車に乗り込み、仕事に向かったのである。
よ:「背中は黒でお腹白かったよ。雀じゃなかったし。」
ニ:「ツバメやない?」
よ:「ツバメは知ってるよ〜。もっとポテッとしてたよ。」
ニ:「その説明じゃわからんね〜。」
そのままその鳥が、一体何という鳥なのかわからないまま、会話が終わったのである。
よ:「あれあれ!あこにとまってるこ!」
ニ:「ん〜。なんだ〜。珍しいね〜。」
自然児のニャ王にも、その鳥に見覚えがなかったのである。
その後も買い物に行けば、荷物を袋詰めする私の前の窓に、
チョン♪チョン♪チョン♪チョン♪
チョン♪チョン♪チョン♪チョン♪
窓枠から消えては現れ右に左に、チラチラ目が合う名も知らぬ例の鳥が現れ、
ニャ王と一緒の時にも、いたるところで遭遇するようになったのである。
ニ:「今日はよめちゃんに、お土産があります!」
そう言ってニャ王が仕事バッグから、赤い小さな袋を取り出したのである。
よ:「ありゃ!この鳥!」
ニ:「今日行ったところの近くに神社があって、いつもみたいに御礼して帰ろうと立ち寄ったら、判明しました!『セキレイ』って鳥やって。」
そう言ってニャ王は、セキレイの根付けを手渡してくれたのである。
その後も、
よ:「ありゃ!また!」
雀やカラスを見るより、セキレイに会う方が多い事に、
よ:「セキレイは私に、何を言いたいんやろか・・・」
ニ:「そのセキレイの神社が、縁結びとか子宝の神様を祀ってるって。」
よ:「あは〜〜〜。そういうことか〜〜〜。たはは・・・」
ニ:「うちにはまちゃおときなこという、可愛い息子と娘がおるんやけどな〜♪」
よ:「こんな頻繁に現れるってことは、そんな訳にはいかんってことよねぇ・・・」
かなりの人生の負荷はあるが、それでも十分幸せ♪というニャ王と私に、
それではダメ!!まだまだ甘い!!ということなのであろうか。
セ:「申し遅れましたが私、セキレイと申します。」とでも言っているのであろうか・・・
たくさんの方々と出会えて、縁は広がっておりますから、
セキレイ様!わが家のベランダまで来ていただかなくても・・・
そう思う、よめにゃんこなのである。