私もニャ王ももっていないのだが、抹茶には掛かり付けのお医者さんがある。
当然自動的に、きなこも同じお医者さんに、お世話になることになる。
わが家の娘になってから、二度目のワクチン接種の日がやってきた。
いつもならニャ王が居て、私は単なる付き添いなのだが、
今回はどうも、忙しいニャ王抜きで行かなければならないようなのである。
一週間程前から、涙と目やに、時々クシャミをしている抹茶も気になってはいるのだが、
ふたりを同時に連れて出掛ける勇気が、私には無かったのである。
意を決して、にゃんこバスケット(抹茶用)を開けると、
すんなりきなこが入ってくれたのである。
よ:「じゃ、まっちゃくん。きなちゃんと病院に行ってくるから、お留守番お願いしますね。」
病院の往復中、鳴き続けたきなこ。
抹茶の時程心配ではないが、やはり運転に集中し辛いものである。
ニ:「お〜♪よめちゃん、病院行けた〜♪車も多かったやろ〜!大丈夫やった?」
よ:「大丈夫って言えば大丈夫やったけど、一人で行ったことなかったから・・・」
ニ:「道、大丈夫やった?」
よ:「道は何とか、見覚えある所に出れたから帰れたけど、きなこがさ・・・」
ニ:「暴れた?!」
よ:「いつもの女の先生やったけど・・・」
看:「検温しますから、前の方持ってくださいね。」
よ:(あ・・・いつもはニャ王が・・・どうするんやったっけ・・・)
き:「キーーー!ピキーーー!キキーーー!」
よ:(あちゃー落ち着け!きなこ!)
看:「ごめんね〜。嫌やったね〜。はい♪終わったよ〜。」
医師と抹茶の様子を話していたのだが、
医:「はい♪きなこちゃん終わったよ〜。出ておいで〜。おかあさんの所にバック。」
ニャ王には、
一人でも病院に連れて行ける!!
と言いたかったのだが、
よ:「体温計挿したまま、『きなこスクリュー(身体をねじって回転)』してしもてさ。どう持って良いかもわからんかったし・・・」
ニ:「ギャハハハ!!やりよった!?いつもはそれで前進してくるのは見るけど、体温計挿したままって〜!!」
よ:「笑っちゃいかんし、焦ったよ。しかも、ほんのちょっとジッとしただけでウロウロしだして、診察室のモニターの後ろから出てこんし。次の患者さん待ってるってのに。」
ニ:「な♪きなこはただ者じゃなかったやろが♪」
よ:「確かに、奇想天外な行動が多すぎる♪オモロすぎる。」
ニ:「俺の目に狂いはない!どうもこの子、よめちゃんと同じニオイがする!って思ったもんな〜♪」
そんなきなこは朝から、おじさんがタンを吐くような『カーー!ペッ!』に似たような、鳴き方をしていたのである。
よ:「え゛!?どこのおっちゃん?かと思った。きなちゃん、女の子やのにな・・・」
きなこがおしとやかになるのは、いつの事であろうか。
そんなきなこの突発的な数々の行動に、
よ:(おとやん、おかんも、ハラハラやったんやろな・・・)
両親の気持ちを汲み取った、よめにゃんこなのである。