名古屋空港を飛び立ち、中継地の成田…。
これから、いよいよ国際線へ乗り換え、NYへ旅立つのだが、それ迄には2時間弱の待ち時間がある。
生徒達は集合時間までは、空港内を探索しに散り散りになって行った…。
私とKは、お茶して時間を潰す事に…すると、そこに
『先生って、親戚の人がLAに居るんですよね?』
何処から、そんな情報を仕入れて来たのか? 一人の生徒が話し掛けてきた。
このツアーの参加者、唯一の男子生徒の『S』である…。
このS、言葉使いや挨拶はしっかり出来て良い子なんだけど、話の内容が、いつもトンチンカンの超・天然ボーイなので、ちょっと鬱陶しい存在なのだ!(^∀^;
(因みに、男子一人の参加なので、部屋割りはKと一緒であった(笑)。)
周りは女子グループばかりで、相手にしてくれなさそうだし、迷子になられても困る…。Sにも私達のテーブルに着かせて、一緒に時間潰しをする事にした。
『親戚の人って英語喋れるんですか?』
おいおい、英語喋れなくて普通、アメリカで生活しないだろ?!
『うん、まぁ…一応〜従兄はハーフだし…。』
…そうなのだ!私の叔母はアメリカ人と国際結婚をしているので、自動的に従兄はハーフになる!
『え〜っ?ハーフなんですか?凄いっ!先生、凄いですね〜!!』
…ハーフなのは従兄であって、私は生粋の日本人だし、英会話も単語を並べる程度のレベルだから、私は全然凄くないぞっ!(T∀T*)
『ずっとアメリカに住んでるんですか?』
『うぅん。産まれたのは日本だから…18歳くらい迄は日本にいたよ。』
…その時、Kが口を挟んできた〜!
『あぁ〜…じゃ、ネイティブじゃないんだ!』
『………さぁ、どうなんでしょうね?』…
と言葉を返したものの…
はぃ〜?ネイティブじゃない〜? 従兄は横浜生まれだけど、幼稚園からアメリカン・スクールに通ってましたが〜!
…そんな言葉を呑み込んだ、大人な私。
…やっぱり、こいつは生理的に受け付けないっ!!
ヽ(´ヘ`;)ノ
そうこうしてるうちに、出発の時間になりました〜!
座席は、ほぼ満席…。
34人の生徒もあちこちバラバラの席になったものの、飛行機に無事乗り込み、成田を離陸。
…やれやれ、これで第一歩目の仕事は完了!
後は食って寝るだけで、NYに連れてってくれる!
ドリンク・サービスを終えて、しばらくすると客室乗務員が入国カードを配りはじめた。
…そう言えば、事前に渡されていなかったっけ…。
でも、こう言う団体ツアーだし参加するのは、20歳前後の今どきのキャピキャピのギャルが殆んど…。(Θ_Θ;)
これが初めての海外旅行って子もいる訳だから、あらかじめ旅行会社が事前に渡してくれて、書き方を説明しながら全員に書かせておいた方が無難だったのに…と、何となく不安を感じる私…。
隣の席でサクサクと入国カードを書き込む、Kに話し掛けた。
『生徒達、ちゃんと入国カードを書けますかね〜?確認した方が良いんじゃないかなぁ〜?』
『えっ?大丈夫でしょう。日本語で書かれてますから。』
…と、見回る気はサラサラ無い様子。( ̄~ ̄;)
確かに、各項目は日本語で書かれているし、それにそって書くだけだから…まぁ、大丈夫か…。
私もそれ以上に、突っ込む事はやめて、機内の乾燥から身を守るべく、ウェットフィルター付きのマスクを口に掛けたのだった…。
………………つづく