ある日のこと。
『グランドオープン』の文字に惹かれ、足を踏み入れた店内は、甘い香りに包まれていた。
うふっ♪
トレーとトングを手に、店内の端からゆっくり進んで行く。
お会計中の女性の傍らに、見事な縮小版の、年の頃、五歳ぐらいであろうか、女の子が居たのである。
「そんなにいっぱい取ってから〜。でも、これとこれしかスタンプ貰えんよ〜。」
「もうのせられんよ〜。これがおいしいのに〜。」
(母親!私にゆっくり選ばせろ!娘を放置するでない!)
よ:「やっぱりメロンパンは、はずせんよね・・・」
外は見るからに、サクサク♪である。
「ほら〜。崩れたよ〜。」
よ:「ホントね〜。ちゃんとこれを買わなきゃね〜。」
「・・・」
よ:「おじょうちゃん、いろいろ教えてくれて、ありがとね〜。」
そして女の子は去っていった。
トレーの上には、メロンパン、ショコラデニッシュ・・・
幸せいっぱいである。
「っていうか、どんだけ新しく出来たパン屋さんに行きたいねん!なんちゅー夢見とんねん。夢でも子供に酷いこと言ってたら、俺は怒るけど、ちゃんとお礼言うたんなら、よし!!」
そう!
私は夢で、新しくオープンした『石窯パン』に行っていたのである。
“お父様、お母様、今からお食事でございますか?”
見つめる抹茶。
何を食べてるのか確認するまで、動かないのである。
「親子そろって、どんだけ食いしん坊や!?」
確かに、ニャ王に言われると・・・
「良いやんね〜♪」
食いしん坊〜!な、抹茶とよめにゃんこなのである。