おてんとさんの日差しはあるが、福岡でも雪がちらついているのである。
抹茶は相変わらず寒さに強いのだが、私はコタツで丸くなりたい!!そんな寒い朝である。
冬になると思い出すのが、かつてのニャ王の相棒、歴代猫ナンバーワンの『みーこにゃん(♂)』である。
これはまだニャ王が血気盛んであった若かりし日のお話である。
雪の降り積もるある夜のこと。
ニャ王は自室で、まったりとした時間を過ごしていた。
“ガサガサッ”
“ザクッ・・・ザクッ・・・・”
“ざわっ・・・”
「なんだ・・・・」
田舎と言えど、物騒な世の中になっている。
“ざわっ・・・ざわっ・・・・”
「泥棒・・・」
ニャ王はゆっくりと、カーテンを少し開けたのである。
薄明かりに、みーこにゃんの走る姿があった。
ある場所で立ち止まり
「みゃお〜ん。みゃお〜ん。」
「こんな時間に・・・」
みーこにゃんも寝ていたのであろう。眠そうな様子が見て取れたのである。
深々と降り続く雪が、みーこにゃんの頭にうっすらと積もっていく。
「キヲツケ〜イ!」
「ケイレ〜イ!」
「キヲツケ〜イ!」
「ケイレ〜イ!!」
「ふんっ・・・偉そ〜に・・・」
ニャ王は見てはいけないものを見たのである。
一人では理解する事が出来なかった。
隣にいたジャギを呼び、カーテンの隙間から二人で見たのである。
ゆっくり・・・気付かれないように・・・カーテンは閉じられた。
二人が見たものは
“家の人よね。お帰りぐらい言うてやろうかね”
みーこにゃんの優しさを無にするような、酔って帰ってきた『ウダ男(父)』なのである。
ニャ王が幼い頃、駆け回って遊んだ実家の裏山には、今でこそ『落武者』と呼ばれる者のお墓がある(そうな)。
「公には言えんけど、家でそういうのに会ったことあるんよね・・・」
家族全員、そういった事を全く信じないという家で育ったニャ王は、私に明かしたのである。
ウダ男が見たものは
武士だったのであろうか!?
はたまた、兵士だったのであろうか!!?
紛れもなく、『みーこにゃん』なのである。