4月に入って早々に、私はまた一つ、年を重ねたのである。
年齢と逆行するかのように、本人は若いつもりである。
「明日来んばよ。」
ボスからの呼び出しが頻繁になっている近頃、帰宅してポストをあけると、小包が入っていたのである。
「うわ〜♪衣良さんからだ〜♪抹茶にかな♪」
開けると『水晶の腕輪念珠』と『ハッピーバースデー』のメッセージ。
「うわ〜♪私にやったよ〜♪」
「お〜♪よめちゃんにやんね〜♪」
二人して、大喜びだったのである。
以前つけていた水晶は、ある日突然!
バラバラ!バラ!バラ!バラ!バラ!
新しいの欲しいな・・・
そう思っていた時のプレゼントだったのである。
同封されていた石の説明には、
邪気を吸い透明になる。
とも書かれていたが、何よりも、誕生日を覚えて貰っていたことが嬉しかったのである。
その晩から、肌身離さずつける事にしたのである。
翌朝、嬉しい気持ちを再確認するかのように、自分の手首を見たのである。
「ん!??」
「あれ??」
「透明が増えている?!」
「一晩よね・・・」
どれだけ私は邪悪なのだろうか・・・
「抹茶くん・・・母ちゃんは・・・」
少し明るくなり始めた空を見上げる抹茶の姿が、そこにはあったのである。