「ほんそご」とは出雲弁で「可愛い子」とかそういう意味です。
私の父は素直じゃない。照れ屋なのは分かるけど、とにかく素直じゃない。
にゃーちゃんがすっかり家族になって、近所の人たちにもおなじみになってからも素直に「家族」とは言わなかった。
その頃のにゃーちゃんは父のお迎えが日課だった。
その日も夕方いつものようにお出迎えして、家の前の道路でゴロンゴロンして、いつものように父もにゃーちゃんを撫で回していた。
そこへ父のなじみの散髪屋のオバちゃんが通りかかった。
世間話をしつつも父はにゃーちゃんをなでなで。
ちょうどこの辺から私は見ていた。
オバちゃんはニヤニヤしつつ「○○さん、かわいてならんかね?(可愛くてしょうがないでしょう?)」と言った。
あ、オバちゃん、いいトコ突くなあ!と思ったら、父は案の定にゃーちゃんのお尻をスパ〜ン!!とたたいて「なんが!!(そんなワケなかろうが!、の意味)」と答えた。
急にたたかれて戻ってきたにゃーちゃんを連れて、面白かったので私はそのまま母のところに報告に行く。
母は苦笑しつつ「にゃーちゃんはほんそごだからねえ・・・素直じゃないねえ」と言った。
実は「ほんそご」は、年配の人は使うが、若い世代はもうそんなに使う言葉ではなく、私もこの頃まで意味を知らなかった(^^ゞ