ただ何となく過ぎていく時を過ごしていたのは、
いつの事であろうか。
息切れしそうな毎日に、
唯一、抹茶と過ごすことが、ニャ王の楽しみである。
これはまだ、祖父が元気であった頃のお話である。
「じいちゃんのお気に入りのとこに連れて行ってやる。」
そう言った祖父とニャ王と私で、車を走らせたのである。
「今日は美味しいもの食べさせるけんな。」
そう言って立ち寄ったのは、激安スーパーであった。
「何でも好きなもの選びんしゃい。」
驚くほどの激安弁当である。
「じいちゃん時々、ここに来る。」
お茶とお弁当を持って到着したのは、
大きな川のゆったりとした流れを一望出来る場所であった。
祖父のお得意の戦争中の話。
曾祖父、曾祖母の話。
家のこと。
ニャ王へのバトン・・・
祖父はいつもここでしか、『自分自身』になれなかったのか・・・
祖父を思い出すたび、切なくなる。
私の母も同様、幸せだったのだろうか・・・
旅立った二人の事を思うたび、そう思わずにいられないのである。
そんな思いにふける私に、
スリ〜♪ゴツン!
今日もいち早く、
ボケーッとするな!の『喝』を促す、抹茶なのである。