ぼくは、ほんとは、はいしゃさんがこわかったです。
ぼくが、がんばってまちあいしつにいたら、せんせいが、
「みつるくんだね?」
にこにこわらって、手をつないで、こわくて白いへやに、はいりました。
「ぼくは、おおぞのといいます。きょうは、あ〜んしてみるだけだよ」
せんせいは、いいました。
ぼくが口をあけているとき、ずっとせんせいは、
「いたくない、いたくないよ」
といってくれました。
「はいっ、きょうはおわりだよ。ママをよんでくれるかな」
はしってママをよんだぼくは、まちあいしつにいました。
『乳歯が抜けかけてグラグラしてますね。でも永久歯に問題はないので、様子をみて下さい。ただ私は今月で辞めるので、引き継ぎはきちんとします』
ママとせんせいが、いっぱいはなしているのを、ちらちら見ていたぼくを、せんせいはにこにこ見てます。
おかねをはらったママのうしろで、せんせいは右にくびをかしげ、手をふってました。
ママはかえりに、ケーキをかってくれました。
かえったママは、カレンダーをめくり、つぎのはいしゃさんのひに、まるをつけました。
つぎのはいしゃさんの日は、見たことない、こわいせんせいでした。
ぼくは、きょうこそ手をふろうとおもっていたのに。ママにせんせいは、いなくなったとききました。
ぼくは、おおぞのせんせいがすきでした。
ママからおしえてもらって、大園先生におてがみをかきました。
ぼくは、大園先生みたいなはいしゃさんになりたいです。