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以前、PETSTライブラリーでシリアに住む猫(詳しくはバックナンバー「猫のルーツ?シリアの猫たち」)をご紹介したことがありますが、 6月28日付のScience(サイエンス)で、1000匹近くの猫たちの遺伝子を研究した結果、飼い猫の先祖の生息地が判明したと発表されました。
研究者の一人Carlos Driscoll氏は遺伝子の採取に際して大変苦労したと言います。イエネコは比較的簡単に集めることができ、30種以上の猫からのDNAを採取しました。 問題は野生種であるヤマネコで、Driscoll氏は南アフリカ、ナミビア、ボツワナ、イスラエル、アゼルバイジャン、カザフスタン、モンゴルで試みたそうです。 何しろ、野生種ですから、ケージに閉じ込められる事は大嫌い。その苦労は並大抵のことではなかったと思います。
そのような苦労の結果、中東地域に生息するリビアヤマネコがイエネコの祖先であることが判明しました。 この地域は、9000年以上前に肥沃な三日月地帯(地中海東部からペルシヤワンに及ぶ農業地帯)において農業が最初に行われた地だと言われています。 農業の発展に伴い穀物を保存するようになり、そこへ食物目当てのネズミが出現するようになり、そのネズミを獲るために野生の猫が出現し、人間がネズミ捕獲目的で猫を飼うようになったのでは、 と研究者達は推測しています。
アメリカ・カリフォルニア大学の生物進化論学者、Robert Wayne氏は「今回、猫の祖先の地が一つに絞られた、というのは極めて驚くべき事実である」と述べています。 「例えば、馬や犬などの他の生物の場合、広範囲わたって起源があるとみられている」そうです。
最初に中東地域を起源としてうまれたイエネコも、今では世界中全ての猫種を合わせると6億種以上になるのでは、とDriscoll氏は推計しています。 その全ての猫の起源が一地域である、ということが判明したことは、あらためて考えると不思議ですね。ペットストリートにご登録いただいている、いろんなネコちゃんも、 みんな中東出身ということになるんですね。 ↓詳しくはこちらをご覧ください。(リンク先ページは英語です) http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=11515085
写真提供・協力:NPR (National Public Radio) , ScienceAll rights reserved(無断転載禁止)
筆者 てるてるぼうず
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