2010年2月11日、天国に別荘を構えた愛猫娘ナッチュ。旅立ったのではなく、今までよりもっと自由に、行きたい場所・生きたい場所で、今日も一日を元気に跳びはねて過ごしているんだと思っています。
子猫だった13年前のある台風の日、玄関ドアの硝子から、目から上だけを出して家の中を覗いていたナッチュ。
『猫だ!』
『ママ!猫だよ!!』
次女と追い掛けると、凄まじい風と一緒に転がり走って行ったナッチュ。
その日から玄関フードの段ボールで一ヶ月を過ごした後、猫アレルギーのパパを説き伏せて、見事に我が家の三女になりました。
始め動物が苦手のパパはドギマギしていたけれど、13年後の先週の命日に、亡きがらになったナッチュを抱いて泣き崩れていたのは一番パパ。
お線香をきらさずに、あの日から一週間、蝋燭の灯りの向こう側、一番大好きだった出窓でお花や緑と一緒に、今夜もすやすやいつもと同じように眠っています。
『ナッチュただいま』
パパが帰宅し、天国と我が家の場所を繋ぐ目印、一本のお線香をたきます。
真っ直ぐに立てたお線香から、真っ直ぐに煙が上り、
『ここだよ、この煙を辿っておいでナッチュ』
茶の間の冬の冷たい空気が、一気に暖かく澄み渡るのが分かります。
爺犬ぷりんがそわそわと動き出し、パパの足元に擦り寄って歩くナッチュが見えるのです。
『いるねナッチュ』
『うん、今ここにいる』
不思議な一週間でした。
ナッチュの身体の気配を、家族全員が家のあちこちで感じてました。