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★今日のプーの一言★
おリボンつけちゃったでバウ♪だって女の子だもん
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「結婚したら、犬を飼いたいね」
婚約時代の二人は、ことあるごとに
甘く将来の夢を語ってた。
結婚式の準備、新居探しで忙しい女は
男が候補にあげる新居の条件に
“ペット可”ばかりであることについて
あまり深く考えずにいた。
そうこうするうちに、
結婚式の日取りや新居も決まり
ひとり暮らしだった二人は
アパートの更新時期などもあり
結婚式の前に新居に引っ越すことになった。
引越しを終えた日の夜のこと。
部屋中山積みのダンボールを目の前に
引越し荷物を片付けて
カーテン買って、照明買って…、と
今後の作業の段取りを考えている女に向かって
男は言った。
「引越しも無事に終わったし、明日買いに行くか!」
「買うって何から?」
「ワンコ!」
…へ?
この時点で女はようやく気が付いた。
結婚したら犬を飼いたい、というのは
甘い夢などではない、現実的な計画だったのだ。
「飼いたいって言ったら、いいよって言ったよね♪」
「い、いったけど…」
待て待て。男よ。
明日はムリだ。
1週間後に結婚式の打合せがてら
男の両親が泊まりに来る、
2ヵ月後には結婚式だ、それまで準備で忙しい
結婚式が終わったら新婚旅行だ
1週間は家を空けるんだ、
だいいち
このダンボールだらけの部屋で
どうやって犬を飼えというのだ!
「明日はムリ。ゼッタイだめ!」
「ええ〜(>_<)ゞ…
犬飼ってもいいっていったじゃん〜〜」
「飼ってもいいけど、今はムリでしょ!!」
女がきっぱり言うと、
男はしょんぼりして言った。
「じゃあ、明日は見に行くだけでいい。。」
なんと男はちゃっかり
新居の近くにあるペットショップを
チェックしていたのであった。
見に行くだけだからね、
実際に飼うのは新婚旅行が終わってからだからね!
と、女がしつこく念を押しながら
翌日、ペットショップを訪れる二人。
そこで二人は出会ってしまった。
ガラスケースの向こうから
大きな瞳でじっとこちらを見つめる
生後4ヶ月のかわいいパピヨン。
「か・かわいい…」
もう、ひとめ惚れだった。
他の犬はほとんど目に入らなかった。
ペットショップのお兄さんが二人の様子を見て
こちらに近づいてきた。
「だっこ、してみます?」
はじめて触れる子犬のパピヨンは
小さくて、
やわらかい毛並みが心地好くて
ずっとずっとだっこしていたい程
かわいくて、愛おしかった。
それがプーと私たちの出会いだった。