『黒ちゃんひき逃げ』から、一週間が経った。
事件翌朝。
ニ:「他の子は大丈夫やったみたいやね。」
昨夜の出来事が嘘のように、いつも通りの景色である。
よ:「あ!あれ!」
歩道を、うちの車に伴走しているかのように、違う少し年上?の『黒猫』がいるのである。
その日の夜。
よ:「迎えに来るとき、朝の猫ちゃん、道に向かってじーっと座ってたよ。」
ニ:「よめちゃん、あそこ。」
帰り道側の茂みに子猫が一匹、こちらを見ていたのである。
その日見た猫ちゃん達とは、間違いなく、目が合っていた。
4日目。
よ:「この何日か、一匹もおらんよ。」
ニ:「無事やったら良いけどな。」
夜。
よ:「来るときやっと会ったよ〜!白い子が、壁と戦ってたよ。」
ニ:「良かったな〜。単に会えんかっただけやったな。」
5日目朝。
よ:「あれ!せんたくん!」(身体が白。頭だけセンター分けのような黒)
道に向かって座っている。
7日目夜。
よ:「やっと以前みたいに、白い子二匹見たよ。」
ニ:「あ!いた!」
よ:「(年上)黒ちゃんと七さん。」(文字通り七三分け)
8日目朝。
ニ:「今日もいたね。」
よ:「白ちゃんと子猫。」
お母さん猫の横に二匹の子猫が、まるで招き猫のように、並んで道に向かって座っているのである。
夜。帰り道。
ニ:「あの猫ちゃん・・・」
よ:「あんたー。あんたー。って、最後まで追いかけて来た子・・・」
ニ:「無事やったな・・・ずっと捜してたんかもな・・・ごめんな・・・」
茶とらの猫ちゃんも、道に向かってじーっと座っていたのである。
よ:「座ってる猫ちゃん達とずっと目合ってるんやけど、勝手に連れて行ったって、怒ってるんやろか・・・」
ニ:「あのままにしてたら、黒ちゃんのそばにみんな集まって来て、二次、三次被害が出てたかもしれんからな・・・可愛そうかもしれんけど、無事で良かったって思うよ。」
もし、私ひとりの時に、猫ちゃんに何かあったら・・・
不安な気持ちを正直に、ニャ王に伝えてみたのである。
ニ:「よめちゃんには難しいな・・・路駐してひとりで・・・は、無理やろな。そういう場合の猫ちゃんの抱え方もあるし。ただ、無事でいてくれ!って思うことは出来るやろ。それだけでも違うからな。」
頼りない私に、ニャ王が言ったのである
ふと疑問に思った事がある。
山や自然溢れる場所には、鹿や熊(なかったか?!)の『動物注意』の標識があるのに、なぜ猫はないのだろうか。
あっても良いではないか!!
そう思うのは、『猫好き』ならではの考えなのであろうか。