忙しく働くニャ王だが、仕事が休みの日には、
山の大掃除に行かなければならないのである。
よ:「あのぉ・・・行けるんですかね・・・」
何度起こしても、なかなか身体が起きないのである。
ニ:「わからんけど、行かな。父ちゃん独りも、寂しいやろ。」
ようやく、きつい身体を起こしそう言ったニャ王と、抹茶にお留守番を頼み、家を出発したのである。
よ:「そう言えば去年の末、ボス、ニャ王に雪でも来いって言うたよね・・・(事故おこした時)そん時はそん時。(ニャ王は)どうにかするくさ!正月、鉄子(ニャ王叔母)からの電話には、雪で危ないから来るなって言うた。って笑って私に話したよね・・・」
ニ:「せやったな。ばあちゃんらしいやん。」
たわいもない会話をしながら、山に向かったのである。
反対車線を走る車。
よ:「雪積もってるんですけど!」
ニ:「まあまあまあまあ。」
よ:「いくら雪に慣れてるって言っても!」
ニ:「まあ、落ち着け。」
それでもニャ王は、走りを止めなかったのである。
ある地点を基準に、行くか戻るかを、判断するというのである。
チャリチャリ!チャリチャリ!
ゆっくり走ってくる車。
脇に車を停め、チェーンを取り付けるタクシー運転手。
ニ:「まずいな・・・」
よ:「今、まずいって言いました!?」
ニ:「ん?!いや〜運ちゃんが着けてるって事は〜なはは。」
よ:「笑えないんですけど!!」
密かに、
もし、ニャ王と私に何かあったら・・・
抹茶は、どうなる・・・
そんな思いが、過ぎったのである。
ニ:「この先で判断出来るから。」
トンネルを抜けると、そこは・・・
そんな感覚である。
ある地点を過ぎると、急に雪質が変わり、完全に積もっているのである。
よ:「スタッドレスならともかく、今年まだ履いてないし!!ノーマル(タイヤ)やし!!」
ニ:「こりゃー行けたとしても、帰れんな〜♪」
わが家の車は毎年12月、山往復の為に、冬用タイヤに交換するのである。
が、今年は車検もあり、溝の磨り減った冬用タイヤを処分。
まだ、買い替えきれずにいたのである。
ニ:「やっぱり(冬用タイヤ)要りますな〜。」
よ:「要るやろ〜!!」
ニ:「今年はチェーンにするかな〜なんて。」
よ:「着けたり外したりせんやろ〜!」
ニ:「せんね〜。」
途中、ニャ王は父に連絡。
あえなく、引き返す事にしたのである。
キュッ♪キュッ♪キュッ♪
ニ:「はい♪」
ウィーン♪
(ポイッ)トスッ!
キュッ♪キュッ♪キュッ♪
ニ:「はい♪」
ウィーン♪
(ポイッ)トスッ!
ニ:「なぜ捨てる!雪合戦するぞ!」
よ:「いやぁ。抹茶も朝から雪見て走り回ってたけど、その気持ちわから〜ん。」
車からも降りずに答える私。
雪と戯れるニャ王。
抹茶はニャ王によく似ている!!
そう感じた、綿菓子の世界なのである。