平和な日々が続き、小梅は毎日幸せに暮らしていました。
ところが、ある日急に家の中があわただしくなりました。引越しです!
広島から東京へ。初めての経験に小梅は不安でいっぱいでした。新幹線に乗るため広島駅のホームで待っていると、あまりににゃーにゃー鳴くので、気がつくとまわりに外国人が何人も面白そうに見ているのです。「イズ ディス ア キャット?」
小梅を家に連れてきたときから引越しのことはわかっていました。かわいそうだけれど、ちょっと我慢してもらうしかありませんでした。小梅のためには公園にいるよりはずっと幸せなはず。
結局東京までずっと鳴きっぱなし。東京駅から家までタクシーで又鳴きっぱなし。ようやく解放されたと思ったらそこはまったく知らないところ!小梅は声がかれるほど鳴きました。
何とか落ち着いてもらおうと、なじみのある家具や絨毯、おもちゃを見せていくうちに、だんだんとここは安心なんだ、とわかってくれたようです。
ああ、今思い出しても大変でした。かわいそうでした。でも小梅はそんな環境の変化にもちゃんと順応してくれて、すぐに新しい生活が始まりました。