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ソラ
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共に生きるために
ヒトは、言語を使用して他人と意思疎通をする。 言語によるコミュニケーションである。このとき、前提となるのが 会話の場の 意味・文脈・雰囲気 を他人と共有することであり、 これがないと、会話は成り立たない。 この 意味・文脈 を伝え合うのが、 表情や動作による言語を使用しないコミュニケーション、すなわち 「 非言語コミュニケーション 」 なのだ。 ヒトとのこの 非言語コミュニケーション において、 最もすぐれた動物がイヌであることが、最近、証明され始めている。 ヒトの視線を感知し、その方向を共に見る 共同注視 の能力において イヌはチンパンジーよりも優れているし、 オオカミには、その能力はないと云われている。 ソラを観ていても、教えもしないのに、この能力がある。 散歩に出たとき、ふと私が立ち止まって見ている方向を彼女もじっと見るし、 ある場所を指差しして指示すると、そこに移動する。 それでは、ヒトはイヌの表情や動作を見て、 その意味を知ることができるだろうか? ソラの表情と動作から、彼女が表現している意味を当ててみてください。 <1> ボールをくわえて ・・・・ A わたしはボールもっているのよ!とれるものならとってみなさい! ・・・・ ボール遊びへの期待 B 近寄るな〜、ボールはわたしのものよ!・・・・ 警戒 <2> 「 ソラ、こっちにおいで! 」 すると ・・・・ A しかたないから、きたのよ!・・・・ 服従 B ララララ、ラン〜〜、なに〜〜 ・・・・ 喜び <3> 散歩中、立ち止まった私に向かって ・・・・ A はやく、いこうよ〜〜 ・・・・ 要求 B どうしたの?なにかあったの?・・・・ 疑問 <4> 友達と遊ぶいつもの公園で ・・・・ A ともだち、こないかな〜〜 ・・・・ 不安と期待 B たいくつだな〜〜 ・・・・ 倦怠感 <5> 散歩中、ソラママの手におやつが ・・・・ A ちょうだい、ちょうだい、ちょうだい!!・・・・ 激しいおねだり B おやつくれないと、かみつくよ〜〜 ・・・・ 脅迫 <6> 散歩ルートを変えたとき、私に飛びついてきて ・・・・ A どうしてなの、ちゃんとしなさいよ!・・・・ 不平、不満 B おねがい、あっちの道にいきたいの!・・・・ 懇願 すこし難しかったでしょうか? でも私にとっては簡単なのです。 彼女と長く付き合っているから、解るのです!! 答えは 1-A 2-B 3-B 4-A 5-A 6-B です。 今から数万年前、イヌは、そのすばらしいコミュニケーション能力を 身に付けることによって、オオカミと袂を分かった。 そして、一万数千年前にヒトと出会った。 それから、ヒトと一緒に世界中を旅することによって、 その 非言語コミュニケーション に磨きをかけていった。 大昔から、我々人間の傍に犬がいた。 共に生きてゆくなかで、我々は彼らから何を学んだのだろうか? 必ずそれはあるはずで、我々が気付いていないだけだろう。 今、人間が忘れかけているものの中に、それはある ・・・ と私は考えている。 ( 参考 : ヒトと動物の関係学 第3巻 「 ペットと社会 」 )
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