メーテル・リンクの「青い鳥」。チルチルとミチルが捜し求める幸せの青い鳥。幸せはありふれた日常の小さな夢や希望の中にある、そんなお話だった。一緒に暮らす猫たちは、喜びや悲しみを共有する。まさにしあわせの「青い猫」だと思う。猫たちに感謝をこめて、しあわせを運んでくる「Blue Catを探す」小さな旅に出かけたい。
古今東西、犬猫にまつわる、小話が多い。
田辺 貞之助・著「世界コント傑作集」(ダイヤモンド社刊)には、
猫と、魚と、主婦の織り成す、こっけいなショートが収められている。
うちのももちゃんも、食べて寝るだけじゃなくて、たまには家事を手伝って欲しい、
そんな気がしてきました。
ある昼下がり、奥さんがいつもの魚屋に出かけ、1ポンドの魚を買ってきた。
帰ってくると、キッチンの調理台の上に置いておいた。
それから、家事を済ませて戻ってみると、
さきに置いていたはずの魚は、どこへやら。姿かたちも無くなっていた。
見渡すと、そばで飼い猫君が、ゴロゴロと喉を鳴らしながら、口元を掃除中。
奥さんは、猫を叱ろうとしたが、ふと思い直し、猫をはかりの上に載せてみた。
すると、はかりの針がちょうど1ポンドのところを示した。
彼女は首をひねった。
「はてはて、猫はどこへいってしまったのだろうね? まったく!」