言うまでもないが,これら生産施設の整備はすべて,兵士や攻城兵器をコンスタントに供給するために行っている。「クルセイダー2」の醍醐味はなんといっても攻城戦であり,ピッチ油による火炎攻めや,各種攻城兵器の使用,さらには動物の死骸を投げ込んで疫病の誘発を狙ったりなど,あの手この手のさまざまな戦術が選べるので,自分なりの「城攻めの美学」を見つけられるはずだ。
難しい点があるとすれば,ゲーム序盤から生産施設の拡張と同時進行で兵士の生産をかなり積極的に行っていかなければならないことで,すでに述べたが,「まずは資源を十分に確保してから」というゆとりプレイではすぐに行き詰まってしまう。ゲーム開始時点でユニット生産のために比較的豊富な資源が与えられているキャンペーンモードはもちろん,「小戦闘」モードでも,生産施設より先に兵舎,武器庫,傭兵詰所などを建てて戦闘に備えなければならないのだ。兵士の生産自体は短時間で終わるためストレスを感じることはないが,戦闘では概して質よりも量が優先されるため,手が空いたときには常に兵士を生産する必要があり,人によってはちょっとせわしないと感じるかもしれない。
兵舎では,資金と武器庫の装備を消費してユニットを生産できるストロングホールド クルセイダー2 日本語版一方,傭兵を雇うのは資金のみが必要。イスラム勢力側のユニットの多くが,さまざまな特殊能力を持っているストロングホールド クルセイダー2 日本語版
さて,各種戦闘ユニットは労働に従事していない住民を変換することで生産される。働いていない住民は一見すると無駄のように思えるが,兵士をいつでも増員できるように,手ぶらの住民を何人かは常に残しておくようにしたい。上の「人望」はここで重要になってくる。高い「人望」を維持することは,いざというときの住民不足と,そこから派生する兵士不足を回避することにつながるわけだ。
兵士になる日を心待ちにしつつ,焚き火にあたる住民達。暇そうに見えるのはきっと気のせいだろうストロングホールド クルセイダー2 日本語版 言うまでもないと思うが,上位のユニットを生産するためには,必要な武器や鎧などをあらかじめ武器庫に確保しておかなければならない。兵士の質より量が重視されるゲームとはいえ,低レベルの弓兵や歩兵はどうしても打たれ弱いので,槍兵や重装歩兵などを補充して軍隊の全体的な強度を上げることを忘れないようにしたい。こうすることによって,けっして安くない味方の攻城兵器に対する攻撃を分散させ,城門や城壁の破壊をスムーズに進められるのだ。また,城塞を守る側になっても,波状攻撃をしかけてくる敵から城を守り,反撃のための戦力を集中させる時間を稼ぐことができる。
もう1つ,ほかのRTSに比べて,弓の射程距離の長さに筆者がやや戸惑ったことを付け加えたい。味方が弓兵の攻撃を受けているので敵を探したところ見つからず,よく調べてみるとかなり遠くに敵の姿を発見した,ということがしばしばあった。 これは手強い,とは思ったものの,弓の射程距離が長いのは自軍も同じ。長い弓の射程は戦術としても使えるわけで,「大量の弓兵と壁になる歩兵部隊」の組み合わせは,攻城戦に先立つ戦いにおいて,前線を押し上げていくときに非常に便利だ。