菜々でぇ〜す。今夜は寒くない?花冷えっていうらしいのね。みんなで身体を寄せ合って暖まってマース。こういうとき大家族は便利ですよ。
私の家族がこんなに増えてしまったのにはそれなりの訳があるの。
お母さんは子供の頃から猫が好きで、小さな頃から猫が家にいなかったことはなかったみたい。それでも私が初めて飼った純血種だと、小柄な私を気遣ってなるべく小振りなアメショーの雄猫を探してくれていたの。でもね、アメショーの男の子って背が高くって大きくて、人間で言えば柔道家みたいな男性が多いのよね、少なくともお母さんはそういって私にピッタリの人が居ないって言うのよ。私はそういう男性大好きなのに、お母さんたらなーちゃんみたいな小さい猫、大柄の旦那様だったら出産が大変よ、と言うから、それはお母さんの愛情だと思ってお母さんがきっと素敵な男性を見つけてくれると信じて、大人しく待っていたのよね。
でも、家のお母さんムラっ気だから、しばらくすると私のお婿さん捜しも忘れちゃったみたいなの。私もお年頃、ボーイフレンドも欲しいじゃない。そこである日お母さんがお掃除で窓をパッ開けた隙を見つけて外に飛び出しちゃったの。
お母さん慌てたわ。私、美人だから外に出たらほっとかれない、モテたわよぉ〜
二人の格好いい茶虎猫に追いかけられてどちらにしようか迷っちゃった。よりどりみどりよ。
1日自由を満喫したらどこからかお母さんの懐かしい声。そちらの方へ飛んで帰ると茶虎達もまだ私のことを追いかけてくるの。もうしつこいわねぇ。しつこい男は嫌ね、嫌われるね。うんざりだわ。お母さんは「わぁ、黒とグレーのアメショーなのに相手は茶虎かよぉ」とまるでさまぁ〜ずの三村みたいに叫んでいたわ。
そして2ヶ月後、生まれたのがクロ・ジュニ・チッチ。ジュニは私にそっくりだ!ということでジュニアのジュニという意味ね。ジュニは私に似て美人だったの、でも父親の血が濃いのか、ちょっと野良っけがあって、お外が大好き。ヤンキーだから喧嘩も強いらしくて片眼を引っ掻かれてから独眼流。それからは私に似ていなくなったの、私あんなに凄みないし。娘ながら迫力有るわ。金髪でバイク乗り回している感じね。三原順子ってところかしら。今でも内外が自由に出入り出来るのはジュニちゃんだけなの。
チッチは可愛いぶりっこ。私に似て小柄、未だに子猫みたいで特に家のお姉さんと相性が良く可愛がられているわ。お嫁に行くときはチッチを連れて行ってね、とお姉さんはいつもお母さんに言われているの。チッチを人にたとえるなら小倉優子ちゃんみたいかな。
クロの話は長くなりそうだからこの続きはまた明日ね。