続きです。
こうして小春は大晦日に思いがけずさび猫館にやってきました。2019年の年越しを小春と過ごすとは想像もしていませんでした。
部屋中探検するする。自分にとって危険な物はないか、何かが突然襲ってきたりしないか、入念にチェックしていましたが、それも大丈夫だったようで足元マットでまた眠りにつきました。
やがて夜は更けていき、恐怖の時間に突入、しかし小春は静かに寝ていました。よほど疲れたのだろう、今夜はもしかしたら静かに過ごしてくれるのかも、と一縷の望みを抱いて私も眠りにつきました。
なんと翌朝まで鳴き声で目をさますことはなく、少しほっとしました。まずは第一段階クリアー。
そして元旦も無事過ぎました。時々急に無意味に鳴くものの、そっと撫でてあげるとすぐに鳴くのをやめていました。
そう、小春の大きなハンデ、それは耳が聞こえないこと。これは一年くらい前から気づいていました。
全く知らない環境で何も聞こえないのはさぞかし不安だろう、それでも健気な小春は良くご飯を食べて水飲み場所も覚えました。
家猫修行は順調に進んでいました。
小春は一人でいることには慣れていますから、最初はむやみにかまわず、そっとしておくことに決めました。
もう15歳ですからこれまでの生活を変えるのは容易ではなかったはず、それでも比較的落ち着いているのは考えようによってはそれだけ小春の認知機狽ェ低下しているのかも知れません。公園に帰りたい!と騒がないのも、もしかしたら小春自身が外での生活に限界を感じていたのかも知れません。
優しい言葉もかけてあげられないのがもどかしいけれど、少しでも気持ちが伝わるようにと気持ちをこめて撫でてあげると安心するようでした。
まずは良い感じで2日が過ぎましたが、実はまだ大きな課題が残されていました。
続く