茶谷刑事の事件簿２０１３ | 小梅（東）のMY ROOM - ペットストリート

その夜七時頃、坂の上に住むサビ田婦人から電話がありました。


「あたし、猫が待ってるから急いで帰ってきたんです。

玄関のカギを開けて靴を脱ごうとすると・・・

誰もいないはずの家の中から人の話し声がしたのです

だ、だれが・・・

もう恐ろしくなってしまって、すぐに茶谷刑事にお電話を・・・」





茶谷

　　　　でも室内には愛猫二匹以外誰もいなかった、

　　　　　話し声はテレビの音だったというわけですね

　　　　あなたは出かける前には必ずテレビを消した、

　　　　ではどうしてでしょうねえ。







茶谷

　　　　　小梅さん、あなたあの日お母様が外出すると

　　　　　いい気になってテーブルの上を歩き回っていましたよね




小梅

　　　　　あ、あたしは何も知らないわ







茶谷

　　　　　
　　　　　そうでしょうか

　　　　　テーブルの上は普段は禁止だから、

　　　　　あなたはいつもお母様の留守をねらってのぼる

　　　　　でもたいして面白いものもないのですぐにおりる、

　　　　　ちがいますか




　　　　　ところがその日、あなたはあるものに興味を持った









茶谷

　　　　　それが、このリモコンですね。

　　　　　あなたはこれでテレビをつけたり消したりすることを知らなかった

　　　　　うっかり赤いボタンを踏んだものだから、テレビはついてしまった








茶谷

　　　　　あなたはびっくりして、これはまずい、なんとか消さなくてはと思い

　　　　　あれこれ考えたけれど結局わからなかった、

　　　　　そうですね




　　　　　教えてあげましょうか、実はその赤いボタンをもう一度押せばよかったのです。

　　　　　そうすればテレビは消えて、

　　　　　あなたがテーブルの上を歩き回ったことはばれなかったでしょう









小梅

　　　　　わかったわ、赤いボタンをもう一度押せばいいのね



茶谷

　　　　　そう、今日のところはお母様は大目に見てくださるそうです。

　　　　　これからはお留守番は良い子でお願いしますね。