「猫の十戒」
第一戒
あんまりしつこく
触ったりさないでね。
こう見えて、
わたしは繊細なんだから。
第二戒
でも、あんまり
ほったらかしにしないでね。
相手してもらえなかったら、
そのうちお家を出ちゃうわよ。
第三戒
わたしが頭をなでてと差し出したら、
やさしくなで回してね。
大好きなあなたにやさしくされると、
幸せな気分になれるのよ。
第四戒
いつも、わたしだけを見ていてね。
あんまりじろじろ見られるのは
苦手だけど、
いつも注目されていたいの。
新聞紙の上を占領しちゃうのも、
時には大目に見ていてね。
第五戒
わたしを叱って、言うことを
聞かせようなんて思わないでね。
強く出れば、
おとなしくなると思ったら大間違い。
やなことしようとしたら、
ひっかいちゃうわよ。
第六戒
時には、とびきりのごちそうを
食べさせてね。
いつもと同じなんて、嫌になっちゃう。
第七戒
猫じゃらしてまたたびは、
いつも用意しておいてね。
たまにはうんと暴れて、
すっきりしたいときもあるの。
第八戒
わたしが年を取って、
あまり遊ばなくなったって、
すぐに新しい子を連れてなんて
こないでね。
あなたが目移りするところなんて、
見たくはないんだから。
第九戒
いつも振り回してばかりの
わたしだったけど、
今までつきあってくれてありがとう。
あなたの困った顔、
ちょっとかわいかったよ。
第十戒
わたしが天国に旅立っても、
一緒に過ごした日のことを、
ずっと大切にしていてね。
思い出の中で、
あなたとずっと一緒にいられる。
それだけで、わたしは幸せだから・・。