その夜は、なんでなんで??という思いと、ミケに申し訳ない思いとで、涙が止まらず、眠ることができませんでした。
とらは、妹の死を理解したのかしていないのか、ミケの入った箱には近づこうとしませんでした。
でも、ミケが使っていたお皿をだまってじっと眺めていた後ろ姿が忘れられません。
その時、今後とらの身にもしものことが起こったときには、絶対一人きりでは逝かせたくない。ちゃんと看取りたいと思いました。
次の日に裏庭に埋葬し、家族でお別れをしました。
それからちょうど1年たった頃、不思議なことが起こりました。
なぜか、ミケのお墓の上にだけ、真っ赤な彼岸花が何本か咲いたのです。それまでうちには彼岸花なんて咲いたことがないのに。まるで、ミケが「忘れないで」と言っているようでした。
大丈夫だよ、大好きなミケのことを一度も忘れたことなどないよ。
あれから12年、体の弱かったとらは、元気に長生きしています。きっとミケが守ってくれているんだと思っています。
とらはミケの分まで、まだまだ長生きしてもらわなくちゃ!