さっき、何の気無しに外へでたら、嗅いだことのあるニオイと、感じたことのある感触が足元にしました。
ごわごわでザラザラした感じと、ホコリのまじったニオイ…。
「ピカッちゃんだ…」
思わず口をついてでました。
ピカッちゃんは、昔家で飼ってたネコで、ジョン亡き後ばーさまを支えてくれたニャンコです。ネーネたちには懐かなかったケド好きでした。よく脱走して3時間くらいするとこっそり帰ってきました。雨の日は、ネーネが外を見に行くと脚にまとわりついてきて、家に入れてくれと言わんばかりにニャーニャーいってザラザラの舌でなめてきました。
さっきのはその時の感覚でした。
ピカッちゃんが帰ってきたんだと思いました。
「ピカッちゃんおかえり〜タオルのとこで待っててね」
いつもそう言ってタオルドライしてドライヤーで乾かしました。
今日もそう言って家に入ったら、また懐かしい感触と音。
指先にふわってしたのはジョンの毛の感触でした。前脚で玄関の床をならす音。カチカチって爪でならして、来て、ご飯ちょうだいってやってた音がしました。
見えないだけで、ちゃんとそばにいるんだなって思いました。
でも、一日だって忘れたコトはないんだよ。思い出したら泣けるから、長く考えないようにしてるだけなんだよ。大好きなのはかわらないんだもん。お願いわかって。
せんちゃんには見えるのかな。何にもないとこに向かって吠えたり、一人で遊んだりしてるケド…。ピカッちゃんとよく一緒に遊んでたし。ネーネに見えないだけでピカッちゃんと今でも遊んでるのかな。ジョンとお話ししてるのかな。
せんちゃんだけズルイぢゃん!!
でもいいよ。今日はネーネもジョンとピカッちゃんはそばにいるってわかったから。
久しぶりに、ジョンとピカッちゃんの写真をながめました。まだばーさまもちゃんと歩いてたし、髪もキレイにしてました。あの頃は一人でなんでもできてたのに…。
戻れるなら戻って、ジョンとピカッちゃんに、もっともっと愛情そそいで、ジーバーズも病気にならないようにできるのに。
なかなかうまくいかないもんだ。世の中は。
ネーネしみじみと思いました。