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ワンコのしつけ教室in Australia その1

みなさんが飼っているワンちゃんは、しつけがちゃんとできていますか? うちのワンコは引っ張り癖が直らない、拾い食いをしてしまう、飼い主の言うことをなかなかきかない・・・なんて悩みをお持ちではありませんか?今回は、オーストラリアで定評のある、犬のしつけ教室を取材してきました。
写真:オーストラリアでハイドロ・バスのサービスを行っている、Tammy's Mobile Dog Washing

ワンちゃんのためのトレーニングセンター、「Professional Education Training Services」は、シドニーから車で北へ1時間ほどの、どこまでも緑が広がる美しい街、バークシャー・パーク地区にあります。このトレーニングセンターの広さは20エーカー以上。ご覧のとおり門構えも立派で、呼び鈴を押して訪問を告げると、巨大な門が開きました。

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期待をこめて中に入る私たちを出迎えてくれたのは、トレーナーでありこのセンターのマネージャーでもあるオスマーニさん。筋骨たくましい体に、日焼けした笑顔が素敵です。今日はこのオスマーニさんが案内をしてくれるそうです。

このトレーニングセンターは30年ほど前に設立されました。現在では国内のみならず、シンガポールやマレーシア、スリランカそしてインドなどの警察犬の養成も行っています。2002年のアテネオリンピックでは、オーストラリア政府からの要請により、このトレーニングセンターで訓練した警備犬を派遣したそうです。 このトレーニング・センターでは警備犬だけではなく愛玩犬の訓練も盛んで、愛玩犬の訓練プログラムの中で最も一般的なものは、ワンちゃんの2週間のお泊りプログラムだそうです。このコースについて簡単にご説明しましょう。

2週間のお泊りプログラムではまず、チョークチェーンを使った歩き方の訓練から始めます。(チョークチェーンとは、飼い主の扱いによって締まり具合を調節できるチェーン製の首輪のこと。

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散歩中にリードを引っ張るなど飼い主にとって好ましくない行動を犬が取ったときに、飼い主がリードを瞬時に強く引くことによって首輪が締まり、犬に自分の取った行動が正しくないことを知らせることができる、しつけ道具です。)まず犬は必ず左側に立たせ、飼い主のペースに合わせて歩かせます。犬が先に歩いたり、後から付いてきたりするようではいけません。また、犬はついつい興味のあるほうへ寄って行きたがりますが、そのときはチョークチェーンを使って、その行動が好ましくないことを伝えます。チョークチェーンを使った歩き方がマスターできれば、次はチョークチェーンとリード(引き綱)なしで同じことができるように訓練します。

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それからおすわり・フセ・待て・を教え、人に飛びつかない訓練や、噛んではいけないものを噛まないようにする訓練をします。そして最後に拾い食いをさせない訓練を行います。訓練は1日に3〜5回で、1回の訓練は10分ほどの短い時間です。犬の集中力が持続を考えると、それが限界なのだそう。そして訓練以外の時間は、個室タイプの犬舎の中で体を休ませます。

たった2週間という短い期間で全ての訓練をすることができるの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの犬はその期間中に、歩き方などの基本動作から飼い主が与えたお皿の上からしかご飯を食べないようになるまでをマスターするのだそうです。ごくまれに、訓練に2週間以上要する犬もいるそうですが、まったくお手上げ…という犬はいないのですって。

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訓練開始は生後4ヶ月以上であれば何歳からでも開始できるそうです。日本では一般的に生後6ヶ月を過ぎてからの訓練開始は難しいと言われていますが、実はそうではないとここのトレーニングセンターでは考えています。若い犬は人間で例えるとまだ子供なので、大人の犬のほうがより繊細で訓練が入りやすいのだそうです。

2週間のプログラムを終了すると、飼い主がトレーニング・センターに呼ばれます。訓練の成果と自宅での訓練方法を2〜3時間かけて説明し、それから実技に移ります。一度訓練を受けた犬は、教えられた事を一生忘れません。

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それでも数年後に再び問題行動が出た場合、それは犬に問題があるのではなく飼い主の接し方に問題があるのだそうです。その場合には、飼い主に対してインタビューを行います。ちなみにこのトレーニング・センターで一度でもプログラムを受けていれば、しつけに関する保証はワンコが生きている限り続くので、いつでも相談を受け付けてくれるのだそうです。犬の訓練だけではなく、飼い主もともに学んで、犬と人間のよりよい共生を目指すためだということです。

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訓練の方法として最も印象的だったことは、訓練中に決して「おやつ」を与えないということ。訓練は、おやつを与えながら行うことが最も近道だと思っていた私はびっくり。おやつをご褒美にするのではなく、その犬の持つ個性や性格を理解し、「誉めること」をご褒美にしながら、その犬にとって最良のトレーニングを見極めるのですって。これには目から鱗が落ちました。

次回は、実際に目の前で見せていただいた、トレーニング一日目のロッキー君の様子をご紹介します。
お楽しみに!


写真提供・協力:Professional Education Training Services
(無断転載禁止)All rights reserved

今回の取材に協力してくださった、P.E.T.S.のウェブサイトへは、こちらから
↓トレーニングセンターの様子がよくわかる写真やバーチャルツアーなどもあります。
http://www.petstraining.com.au