シャムのほんとの歳は分からない。
初めてシャムを見たのは、今から9年前、結婚前のだんな様の部屋でだ。
しかも他に5匹もいたのだ。
1匹は真っ白のチンチラ。1匹は真っ黒の母猫。3匹が子猫。
ベットの上で寝ているのを見て、一言。出しなさい!
だんな様は冬だけ、春になったら出す。懇願されて許した。
私は野良猫を世話している人がいやだ。猫のためだなんてウソだ。
ほんとに猫が好きでほんとに野良猫をかわいそうだと思うなら、エサなんかあげない。
無責任に、繁殖の手助けをしているように見えるのだ。
だんな様が住んでいたアパートの前に建っていたアパートの住人が、猫を飼っていた。
ある日、部屋のベランダに猫たちを残し、引っ越した。
シャムは去勢されていた。
一番引っ込み思案だった。
春になり、シャムにだけ首輪をつけた。