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ねこきち
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いつの頃からか野良猫が家に遊びに来るようになった。野良だけあって、いかにも汚れた毛、かなり年を取っているようで、抜け落ちた歯の隙間から涎を垂らし、目もショボショボ。そこで汚れ猫と呼んでいた。 寄って来られると、餌の一つもやりたくなる。しかし、野良のわりに贅沢でキャットフードも選り好みする。 どうやら、ご近所さんに可愛がられていてちゃんと餌ももらっているらしい。うちには散歩がてら遊びに来ているだけで、特に不自由はない。 とはいえ、寄って来られるとやっぱり何かあげたくなる。そのうち多少なついてきた。汚れていても猫は猫。やっぱり可愛い。 そんな汚れ猫をここ暫く見ない。そんな時、ご近所さんがやって来て知らせてくれた。汚れ猫は亡くなってしまったそうだ。お葬式もしてあげたとか。最後まで大切にされて幸せな野良だ。 もう、汚れ猫が餌を待っていることもない。何とも寂しい…。
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