ログイン

キャットアベニュー : ブログ

Blue Catを探して


モモタロウ
メーテル・リンクの「青い鳥」。チルチルとミチルが捜し求める幸せの青い鳥。幸せはありふれた日常の小さな夢や希望の中にある、そんなお話だった。一緒に暮らす猫たちは、喜びや悲しみを共有する。まさにしあわせの「青い猫」だと思う。猫たちに感謝をこめて、しあわせを運んでくる「Blue Catを探す」小さな旅に出かけたい。

薄雲と「玉」のことなど

[08/07 16:36]



△巣鴨地蔵通り。洋品店のお隣、駄菓子屋さんには招き猫


 山手線で、巣鴨に行く。
高岩寺のとげぬき地蔵尊にやってくる参拝客で、地蔵通り商店街は、相変わらず活況を呈している。和菓子のお店、衣料品のお店、どこも値札の文字が大きくてわかりやすい。道ゆく人の速度もゆったりとしている。商店街を抜け、庚申塚を過ぎると、西巣鴨。
 西巣鴨は、関東大震災以後、当時、浅草や四谷にあったお寺の多くが、ここ一帯に移転してきたという。妙行寺には「東海道四谷怪談」で知られる「お岩さん」のお墓がある。
また江戸町火消しの頭領で、徳川最後の将軍・慶喜のボディガードを務めた新門辰五郎もすぐ近くの盛雲寺に眠る。実在のお岩さんは、田宮伊右門の妻として、家事全般やりくり上手の良妻、お稲荷さんを信仰し家が栄えたそうだ。後世の歌舞伎の演目作者・鶴屋南北が巷の事件をヒントに恐ろしい事件物語を創作。一躍、売れっ子ライターになった。
 さて、目指すは、招き猫伝説が伝わるS寺。ご住職にご案内いただき、境内を奥へ。
招き猫像は、二代目・高尾太夫のお墓を守るように鎮座。右手をちょこんと上げた仕草。人招きのポーズをしている。高さは30センチほど、成猫とおなじくらいの大きさ。 
「江戸元禄のころ、高尾と並んで吉原を代表した遊女・薄雲は、無類の猫好きで、「玉」という三毛猫を飼っていた。郭に行く道中も連れ歩くほどだった。あるとき、薄雲が入浴中に、玉が追い払っても叱っても一緒に入ろうとする。するどい顔でうなり声を上げる玉。困った薄雲は、助けを求めた。玉が狂ったと見た楼主が刀で切りつけた。すると玉の首は、表に飛び出し、薄雲を狙って、窓から忍び込もうとしていた大蛇に噛み付いたのだった。主人を守るために必死で危険を知らせた玉。その不憫さに薄雲は、日々、泣き続けた」というお話。
 その後、薄雲は「玉」を偲んで、このお寺で供養をした。その逸話が元で、この招き猫像が誕生することになったのだという。
 ご住職は言う。「この像は、昔は門柱の上にあったが、心無いいたずらで、破損傷つけられてしまった。修復して、安全な場所に避難してもらった」
 「お寺は、先祖を供養する大切な場所、静かな環境を守って欲しい」と。



江戸日本橋に三井高利が開いた呉服店の名が「越後屋」だった



△懐かしい佇まいの海苔問屋


△忠猫・三毛の「玉」の像。高尾太夫の隣で


お気に入りに追加
メッセージを送る
コメントを見る (4)
コメントを送る
前の記事
ページ先頭へ