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ドッグストリート : ブログ

ソラのよもやま日記


ソラ
共に生きるために

オオカミと犬 * オオカミ考 *

[09/24 14:06]

ソラたち犬の先祖はオオカミであること、それも中国オオカミであることが
遺伝子解析の結果、明らかになってきている。
「 人と犬のきずな - 遺伝子からそのルーツを探る - 」
                 田名部 雄一 著


犬を理解しようとするなら、先祖のオオカミについても
知らなければならないだろう。

オオカミは北アメリカ大陸で出現したと云われる。
家族単位、数頭から20頭くらいの群れ ( パック ) で、大型草食獣の狩りをして
暮らしていた。100 〜 1000平方Kmの広大なテリトリー ( 縄張り ) を持ち、
群れは順位制で統率され、集団で狩りをした。
同じオオカミであっても、他の群れのテリトリーに侵入した個体は、きびしく
排除されたらしい。群れ ( パック ) から出た雄オオカミ ( はぐれオオカミ ) は
伴侶を得て、再び新しいパックを形成した。
こうしてオオカミは、北アメリカ大陸からアジア大陸へと生息範囲を拡大していった。
当時、ベーリング海峡はなく、アメリカ大陸とアジア大陸は地続きであった。
世界地図の黒い点はオオカミの生息している、又は生息していた地点である。
現在、オオカミは絶滅寸前となっている。



それでは、犬の先祖であるオオカミと人間との関係はどうだったのか?

それについては
「 オオカミと人間 」 バリー・ホルスタン・ロペス 著 に詳しく描かれている。
アメリカの先住民族であるインディアン ( オオカミと同じく、部族ごとのテリトリー
を持って生活していた ) はオオカミを神聖視し、オオカミと共存していた。
神出鬼没なオオカミを戦士の象徴として崇め、オオカミを理解しようと努めた。
しかし悲劇は、西欧諸国からアメリカ大陸へ入植者が入り、開拓を始めてから、
起こった。オオカミに懸賞金を賭けてのオオカミ撲滅運動である。
オオカミを邪悪なものと指定し、銃や毒薬でオオカミの大量虐殺を行った。
こうしてオオカミは絶滅へと追い込まれてゆく ・・・・・・。



ロペス氏はこう書いている

・・・・動物は完全に把握できるものであり、私たち人間の住む次元より
一段と低い次元に住むものであると頭から決めてかかるのでは、・・・
動物を本当に理解できるはずがない。人間本位の考え方にすぎない。

人間の住む牢獄のような都会から荒野を眺めるとき、また、
因襲の束縛から解放された生活、罪悪もごまかしもない生活、
一言でいえば本当の生活を送る権利といったものを求めるとき、
私たちはオオカミを手本としてもよいのではないだろうか。


オオカミと犬の形の上での違いは?

オオカミとソラを比較してみた。

耳    : オオカミには垂れ耳はいない ( 赤矢印 )
前額部 : 前額部のくぼみは犬の方が深い ( 青矢印 )
尻尾  : ソラは巻き尾だが、オオカミは垂れ尾のみ ( 緑矢印 )
毛色  : オオカミに斑点模様はない ( 黄矢印 )

そうしてみると、ジャーマン・シェパードの警察犬、エイム君がよりオオカミに
近いのか?しかし、眼つきが全然違う。オオカミには凄みがあるが、
エイム君の眼はやさしい。
犬はオオカミの幼い頃の形を保存している、と云われる。これを幼形成熟と呼ぶ。
オオカミから犬への進化は幼形進化らしいのだ。
ちなみに人間も猿からの幼形進化と云われている。




         ジャーマン・シェパード エイム君


              オオカミの遠吠え


            ソラの遠吠え ・・・・・・
    ではありません。 クンクン ・・・・匂っているだけです。


オオカミを絶滅に近く追い込んだのは人間だ。
オオカミの子孫である犬についてはどうだろう?
日本では、毎年約20万頭の犬が、人間都合で殺処分されている。
これは隠れた大量虐殺ではないのか?
・・・・・ 私たちは今一度、ロペス氏のことばに耳を傾けなければ
    ならないのではないでしょうか。






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