ドッグストリート
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サムじいさんの夏の思ひ出
[09/21 10:19]
〔写真〕
補助を付けて散歩する サム
新しく仲間入りした猫
その後の姿
本文
騒動は起きていた。
ワシが夏の蒸し暑さとの闘いに明け暮れているなか、アライ家に新たなる問題が…。
それは突然やってきた。
ワシはといえば、扇風機とクーラーのおかげで なんとか、暑さを紛らわしつつ、喰う、寝る、時々散歩、の毎日を送っていた。
そんなある日だ。アライ家の母が 外に出っぱなしの猫、リリコに夜食を提供していた。すると突然、耳を澄まさずとも聞こえるほどの どでかい鳴き声が二軒隣の家の庭から闇を切り裂いて響いた。そして それは疾風のごとく リリコの夜食めがけて飛んできた。飛んできたと言ったが、鳥ではない、無論、虫でもない、…迷い猫だ。
ヤツは、痩せこけ、耳の毛が一部異様に伸びていた。目は緑色で爛々と光り、背中の模様は斑点模様で まるでチーターかピューマかといった風体だ。
特徴は、なんてたって その鳴き声。
筆舌に尽くし難い。 ギャオォォォォ!…いや、ギィヤォォォ!か?ワシの猫のイメージは覆った。猫なで声とは なんぞや?ヤツは その猫離れした声で媚びることもなし、食事にありつけるまで鳴き続けたのだ。
ついに根負けしたアライ家の母は…、食事を提供したのだった。
後は流れに流されて ヤツはアライ家の猫となった。
名はギャオー。アライ家の末っ子が付けた。考えるのが面倒くさかったらしく 雌なのだが 可愛いげのない名が与えられた。
ギャオーとワシの心温まる触れ合いは、ない。ワシは一階のサークルの中、 ヤツは二階のベランダ、と住み分けていて時々 階下に降りてくるのを ちらほら見かける程度だった。
ちらほら見かける度、ギャオーは変化を遂げていった。
ストレスで毛がぬけ、エジプトの猫みたいになったかと思えば、今度は痩せこけていた体が妊婦のように 日に日に丸くなっていった。
…え?何? 妊娠していたのか?
脱走?いつしたんだ? その時の子か?…と、こんな具合にワシの耳に情報が入ってくるのが 遅いのだ。
そうこう言っている間に 生まれたらしいぞ。6匹も…。
どうする!?アライ家。
ったく、ワシが外で見張ってないと、この有様だ。しかしなぁ、ワシは隠居の身、しゃしゃりでるのも気が進まん。
で、今日も大アラワのアライ家しりめに、ワシは 喰う、寝る、散歩、で、いいではないか。のう!