「はじめは喧嘩してると思ったの!でもよく見ると遊んでるのよ!それも大きな黒い犬と
ちいさな可愛らしい犬が・・・」
最近、近所で評判になっている。
黒い犬とはソラのこと、可愛い犬とはチャコのことだ
チャコはソラの、近所で一番の友達で、ソラはまるで妹のように可愛がっている。
チャコ ( 1歳 女の子 体重 6 kg くらい )
夕方の散歩では、ソラは必ず近所の公園へ私たちを引っ張っていく。
理由はわかっている。チャコに会うためだ。
もしそこにチャコがいなかったら、待つ、とにかく待つ、30分でも1時間でも。
「今日は、チャコはお休みよ」とソラママ、それを無視して待つ・・・・。
わたしま〜つ〜わ、いつまでもま〜つ〜わ
チャコは自転車に乗ってやってくる。ソラをみつけると前かごから身をのりだす。
互いに駆け寄るソラとチャコ、すぐに遊びが始まる。
”追いかけっこ”や”ぶつかりげいこ”のような遊びではない。噛み噛み遊びとでも
いったらよいのか?互いにすごい顔して噛み合うのだ。
途中に休憩を挟んで、何ラウンドもそれが繰りかえされる。
泣き声は一切出さず、ただひたすら噛み合う。
第 1 ラウンド : チャコはソラの足に噛み付く、ソラはチャコ
の耳を噛んで振り回す
第 2 ラウンド : チャコの逆襲
近所の仲良し仲間、年上のトクちゃん(左)
「こんな荒っぽい子たちとは、付き合いきれないわ!!」
一般的に犬の攻撃は噛むことだ。でも彼女たちの遊びを見ていると、噛む
ことで攻撃意思のないことを表している、いやもっといえば友好・信頼を
表現している。誰が名付けたか「あま噛み」、それは軽く噛むことではない。
攻撃を否定する「噛み」なのだ。
帰り道、遠い昔に友達と「土投げ」や「雪合戦」をして遊んだときの感情
が湧き上がって、ふと足が止まった。
ソラが振り返って私を見上げた。やさしい顔だった。