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キャットアベニュー : ブログ

Blue Catを探して


モモタロウ
メーテル・リンクの「青い鳥」。チルチルとミチルが捜し求める幸せの青い鳥。幸せはありふれた日常の小さな夢や希望の中にある、そんなお話だった。一緒に暮らす猫たちは、喜びや悲しみを共有する。まさにしあわせの「青い猫」だと思う。猫たちに感謝をこめて、しあわせを運んでくる「Blue Catを探す」小さな旅に出かけたい。

晴耕雨読?のももちゃん

[07/17 13:23]






 なまえ  ももちゃん
 性別   女の子
 年齢   14歳
 好物   鶏のささみ

 世田谷区、東急目黒線沿いの小さな駅舎を出ると、こじんまりと商店街がある。踏切を渡ると本屋さんがある。開業して50年、大きなガラス戸を開けると、中央左右の棚に文庫、
単行本、その下には雑誌類がずらり平積みされている。お昼にお店を開け、夜中の2時までと夜型。1時着の終電のお客さんを待ってお店は終わるのだという。
 そんな身近な地元の本屋さんで、お店番をしているのが、ももちゃん。
 その昔、ご近所に嫁いでいった猫が子猫を生んだ。「もらってくれませんか?」でやってきた。以来、14年。お気に入りのレジ下を陣取り、要を守っている。ももちゃんの日課は、お店番、町内のパトロール、タマの休憩は居間でとる。じつはお邪魔するのは三度目。前回はいずれも所要外出中とかで不在。すこぶるご多忙なのだと伺った。
 日々のパトロールでは、熱心さが高じて大きな失敗があった。車に轢かれたのだった。診断は「骨盤骨折」と「腹膜損傷」。手術を受け、一ヵ月あまり入院した。幸い?なことに、店主のいとこが獣医さんをやっていた。費用はなんとか実費ですますことができた。
「しっかり親孝行してくれましたよ」と店主さんが微笑む。
 誰が触ろうが、抱っこしようが平気。性格はおっとり、人見知りしないタイプとお聞きした。かってこちらのおばあちゃんが大の猫好きで、多いときには10匹くらいいたこともあると言うお話。ももちゃんは、その家系をしっかりと受け継いでいるのだろう。
 芥川賞作家・柳美里さんは、エッセー「窓のある書店から」(角川書店刊、ハルキ文庫刊)のなかで、猫のいる本屋さんとして、この本屋さんを記している。
 こうしている間も,、入れ替わりご近所のお客さんがやってくる。
「また、来るね」、振り向いたら、もうそこには彼女の姿は無かった。



△店内奥のレジ下で、店番



△ダンボールの上がお気に入り



△店主さんに抱かれてご満悦。
 こちらでの人気作家は、夢枕獏と大沢在昌だそう


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